キッチン。
それは家づくりのなかの一部分にすぎないかもしれません。
けれども、食事をつくったり、食器を洗ったりとキッチンに立つ時間は意外と長いもの。長い時間を過ごす場所だからこそ、こだわりたい。
ただ、世の中にはどのようなキッチンがあって、どんなキッチンメーカーがあって、どういう選択ができるのか。
そういう選択肢を知りたいとお感じになられているのではないでしょうか?
ただ、実際にはどのキッチンメーカーのショールームに行くのも、なかなか敷居が高いもの。高級キッチンメーカーならば、なおさら。
そのような背景がございますので、この私、編集長・竹内が取材者・インタビュアーになりまして、キッチンメーカーを取材させていただきます。
今回は「クチーナ(CUCINA)」です。
クチーナのキッチンは業界的にも歴史が長く、家具との一体感や品質の高さから、多くの著名人のご自宅などにも多く納品されています高級システムキッチンメーカーです。オーダーキッチンですね。
今回はクチーナ福岡 営業推進部長 藤田英郎様に取材させていただきました。
目次
クチーナ(CUCINA)キッチンとは?ブランドのコンセプト
1937(昭和12)年。
大阪市西区北堀江に森本家具装飾店として誕生。
主に店舗や企業向け、ホテル向けに商業用の注文家具を生産、販売する家具店。
そのため、1社ごとの多種多様な厳しいオーダーに応えねばならず、そこで鍛え上げられた手作業による技術が現在のクチーナ キッチンの礎となっているそうです。
クチーナ(CUCINA)は実はシステムキッチン業界のパイオニア
クチーナ(CUCINA)がシステムキッチン業界に参入したのはかなり早く、43年前。
1976年にスタートしたわけです。
クチーナの前にシステムキッチン事業をしていたのはオフィス家具でも有名なオカムラ、フランスベッドなどの会社でした。これらの会社はシステムキッチン事業から撤退していますから、クチーナが日本では最も老舗なシステムキッチン会社と言えるそうです。
元々は注文家具メーカーのクチーナ(CUCINA)。
外国製のシステムキッチンを施工する立場だったそう。
輸入したキッチンを日本で取り付け施工していくうちに「自分たちでも、デザインキッチンをつくろう」ということでスタートしたのがそもそものはじまり。
クチーナ(CUCINA)キッチンの特徴とは?
クチーナのこだわりは日本品質、手仕事へのこだわりです。
クチーナのキッチンは静岡県浜松市の工場で製造されます。
樹齢200年から300年の銘木がキッチンへと姿を変える工程のすべてに妥協せず、世代を超えて使っていただくための新しい素材開発や技術革新にも積極的に取り組まれています。
できるかぎり自社で加工・製造していますから、20年、30年後にカスタマイズしたいというニーズがあっても、きちんと対応できるような体制になっています。
商業用の注文家具を生産、販売ということで、1社ごとに異なるオーダーに答える体制をしていました。そういうわけで、クチーナのキッチンも基本形としての上質さ、機能性を持った上で、カラー、サイズ、素材、レイアウトなど、すべてお好みにカスタマイズ可能になっています。
クチーナのキッチンの特徴は大きく3つになります。
- 日本品質、手作業のこだわり
- 営業体制
- 突板・塗装などの家具的なところが強い
日本品質、手作業のこだわり
まず、第一の特徴は「日本品質、手作業へのこだわり」です。
そもそも、静岡県浜松市にクチーナのキッチン工場が存在しています。ですから、日本人が日本で作ってるわけです。それで、できるかぎり自社で加工だったり、製造だったりをしている会社さんです。
キッチンと言えば、多くは国内生産である会社が多いとは思うのですが、なかにはやはり海外、東南アジアで製造したものを持ってきて取り付けている会社も多いです。
そのなかで、日本にこだわりがある日本品質の手作業のこだわりというところが特徴です。
その上で、基本的なデザインとか機能性とか、上質さとかを維持したうえで、カラーとかサイズとか素材とかレイアウトとか、複数選べてオーダーでオリジナルで自分の家、自分のマイホーム、自分の注文住宅の家づくりに合ったオーダーキッチンというか、カスタムされたデザインを選ぶことができます。
キッチンの天板を何にするとか、扉材を何にするとか、そういうことを選べるので、そういう形で一品ものという形で、一品一品選んでいただけるキッチンかな、というふうに思ってます。
営業体制にも特徴があります
2つ目の特徴は、「営業体制」です。
一般的なキッチンメーカーであれば、家づくりの際に、基本的にはショールームの接客されて、種類とか、内容選ばれて発注になると思うのですが、オーダーキッチンメーカーさんの場合だったら、営業担当者さんがつくことになります。
それで営業担当者さんがついた中で打ち合わせしていって、「じゃあ決まりました」って言ったら、そこから先は施工会社さん、施工管理の担当者さんに引き継がれます。
施工管理の担当者さんが施工して、実際に住み始めて、メンテナンスは営業担当者さんがやることの場合もありますし、施工の人がその後、見にくることもあるんですけども、基本的に営業と施工っていうのは分離していることが多いです。
オーダーキッチンメーカーだと、だいたいは分離してるとは思うんですけど、クチーナさんの場合だったら、この営業体制が、一人の専任の営業担当者さんが、営業から施工から引き渡しからメンテナンスまで一貫して管理されています。具体的に言えば専任の営業担当者が営業から、施工。そして、引渡しまで、管理しているということです。
やはり、これは他のキッチンメーカーではあまり見られません。一般的には営業は営業だけ。施工は施工だけ。一貫した体制というのはなかなか見られません。
クチーナの場合、一人の営業マンが全体的に管理しますので、トラブルも少なく、メンテナンスにもすぐに対応できる体制になっています。
ここを詳しく解説しますと、一般的に分業してると、連絡ミスみたいなのが存在します。
営業担当者さんがお客さまと話して「ここはこうなってるんです」って話を、メンテナンスだったり施工の人に伝えてないから、施工上トラブルしてしまうってことがあるわけです。これはつまり、役割が違う人が2人いますから、相互の連絡ミスっていうのが人間なんで絶対発生します。
ですから、そういうトラブルが、一貫体制によって存在しなくなるから、その人の力量によっちゃうんで、善かれ悪しかれあるとは思うんですけど、一貫した営業担当者さんの体制があるので、アフターフォローもきめ細かく、打ち合わせもきめ細かく施工まできちんとやってるので、伝言ミスはないよ、と。そういうふうになってます。
突板・塗装などの家具的なところが強い
3番目の特徴は突板や塗装といった家具的な要素が強いということです。
突板とは薄い木の表面材です。元々の木は丸太なのですが、それを薄くスライスしたものが突板になります。本物の木は本物の木なので、上質なグレードというか、見栄えがするわけです。
家具によく使われるのが突板だったり、そして塗装も家具に使われたりとかするんですが。
それで、オーダーキッチンメーカーとしてのクチーナさんの方向性としては、やっぱり森本家具装飾店からスタートされてらっしゃいますから、家具的な要素の強いキッチンかな、というふうに思います。
イタリアとかドイツとかでは、キッチンそのものは家具のカテゴリーに入るんですね。だから、家具屋さんとかでキッチンを見受けることもあるわけです。それが何を意味するかといえば、家具とキッチンって結構ほぼほぼ近いというか、ヨーロッパでは結構近い存在なんです。
クチーナさんも同じような、ヨーロッパ的な雰囲気としての家具とキッチンの一体感みたいなものがあります。
クチーナ(CUCINA)キッチンの価格は?
クチーナ(CUCINA)キッチンの価格はオーダーキッチンメーカーの相場並みといったところです。
オーダーキッチンメーカーの価格ゾーンとしては、一般的な価格ゾーンになります。高額ですね。
なぜ、ピンキリなのかといいますと、
オーダーキッチンの場合、率直に言って、どんな仕様(扉材、天板)で、どんな設備を入れるかによって価格は大きく変わります。
オーダーなので仕様を大きく変更できるわけです。たとえば、キッチンの幅が2550mmが一般的ですが、もっとサイズを大きくすることも可能です。もちろん、サイズが大きいと金額自体も上がります。キッチン設備とは具体的には、加熱機器(ガス、IHなどのコンロ)、食器洗浄機、レンジフードといったものです。価格的にこれらはピンキリでして、ひとつで100万円だったりするものもあります。
水栓金具もグローエ、ハンスグローエやドンブラハといった高級ブランド水栓金具に変更することも可能です。高くなりますが。ほかにも、ガスコンロも上級グレードに変更できますし、レンジフードもアリアフィーナという高級レンジフードに変更可能です。
食洗機などはわかりやすいです。この食洗機を海外製食洗機でミーレやガゲナウの食洗機に変更するだけで50万円とか70万円とかが純粋に金額アップします。
そのため、オーダーキッチンの価格はピンキリといったことが正確な表現になります。
価格帯で言えば、100万円台から数千万円くらいするものまで、幅広いというのは、オーダーキッチンメーカーで有名なクチーナ、キッチンハウス双方に共通することです。
クチーナキッチンはなぜ見積もり価格が高額になるのか?違いは何か?
クチーナのキッチンの価格はオーダーキッチンメーカーの相場並みなのですが、高額な部類に入ります。
では、なぜ、高額になるのか、という点について考察していきます。
まず、表面材・扉材のグレードが高いということがあります。たとえば、表面材をマットな塗装をされますと、きれいな塗装は高いので高額になります。
加えて、天板のグレードが高いです。人工大理石の天板が多いのですが、そういうところも高額なものを使っています。どちらも質感が高いので、実物を実際にご覧いただいたほうが早いとは思います。
また、引き出しも着目点です。引き出しの中、底板の部分にステンレスを使っていたり、突板をつかっていたりします。加えて、引き出しレールそのもののグレードも高いです。スーッと閉まります。
他にも、取手の形状やキッチンの加熱機器の内容などがグレードが高いです。
クチーナ(CUCINA)キッチンの人気カラー・人気色など、何が人気?
クチーナ(CUCINA)キッチンで人気カラーになるのは「ダークグレーマット」や「ホワイト」といったカラーだそうです。
クチーナの工場は前述の通り、静岡県浜松市にあります。
浜松市といえば、YAMAHAのピアノが有名ですね。
そういうわけで、ピアノ塗装の工場も多く、高レベルな塗装技術で、各塗装工場がしのぎを削ってクオリティを高めているそうです。そのため、大変きれいなマットなグレーやホワイトといった塗装が際立つため、人気。
また、彫り込みされた扉材や波打った形状の扉材を塗装するには高度な塗装技術が要求されるため、なかなか実現が難しいそうです。
人気の天板はDEKTON(ウルトラセラミック・陶板)
キッチンの天板で人気なのはDEKTON(デクトン)という素材。
DEKTONはウルトラセラミックと呼ばれ、硬度が高いので傷つきにくいです。
また、天然石のようなジョイント処理が不要のため、美しい仕上がりになります。
さらに、耐摩耗性、耐汚性に優れていて、機能的にもレベルが高いです。
クチーナキッチンの評判
クチーナキッチンの評判は知るかぎり、全般的によい評判が多いです。
接客されて一貫体制を採られている営業担当の方の対応もよいですし、キッチンの品質そのものも高く、とりわけ突板の質は高いです。
クチーナ(CUCINA)キッチンのショールーム詳細情報(アクセス・営業時間)
クチーナキッチンのショールーム詳細情報です。
クチーナ東京 ショールーム
〒150-0035
東京都渋谷区鉢山町15-1
ショールーム直通Tel : 03-3496-1003
E-mail : mcss@cucinastyle.jp
営業時間 / 9 : 30~17 : 30
定休日 / 水曜日・年末年始・GW・お盆
■渋谷駅よりご来店の場合
徒歩約20分。西口バスターミナル35番乗り場より東急トランセバスにて『伊太利屋本社』下車、旧山手通りの信号を渡ってすぐ
■代官山よりご来店の場合:徒歩約15分
■神泉駅よりご来店の場合:徒歩約12分
クチーナ福岡 ショールーム
クチーナ福岡ショールームはキャナルシティ博多のそばにあります。
博多駅からもアクセスできる距離です。
クチーナ福岡ショールーム
住所:〒812-0018 福岡市博多区住吉2-2-1 井門博多ビルイースト1F
電話番号:092-262-7717
営業時間 / 9 : 00~18 : 00
定休日 / 水曜日(年末年始・GW・お盆)
クチーナ大阪ショールーム
クチーナ名古屋ショールーム
編集長・竹内の感想
クチーナのキッチンをプロ目線で見たときに、強く印象的なのはやはり「突板のグレードが高く、美しい」という点です。
突板とは希少な銘木のような木を薄くスライスしたもので、それをパネルに貼ることでデザインをつくるものです。
一般的にはこの突板はなかなか高額です。
そのため、この突板のグレードは低くなったりします。
クチーナのキッチンに使われる突板はグレードが高いです。
しかも、厳選されています。
これはキッチン全体が一枚の突板でつくられていることでわかります。
コスト的にはキッチンのパネル毎に突板を変えたほうが安くつくることができます。
小さい面積の突き板を有効利用できるからです。
しかし、クチーナキッチンはキッチン全体で一枚の突き板。
これはすごい。
すごいというか、見た目に非常に美しいんですね。
そういうわけで、クチーナキッチンの醍醐味はやはり突き板の仕上げ。
これがお好きな方にはビビッとくるのではないでしょうか。
最終的には趣味の世界になりますから、「好きか、嫌いか」ですが。
長い実績と高い品質から、クチーナキッチンは多くの方々に愛されています。
たとえば、芸能人のご自宅。テレビでも放映されたそうです。
他にも高級特別養護老人ホーム、高級タワーマンションなどでも採用されているそうです。
【動画で解説】クチーナ・キッチンの3つの特徴と価格などを解説します
取材協力:クチーナ
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