断熱性能を上げるポイントや基準、意味などを解説

目次

断熱性能とは?

断熱性能とは、住宅の内部と外部の熱の往来のしやすさを示すものです

その断熱性能を示す指標・基準として主に用いられるのは「Q値」や「UA値」があります。また、実際に数値を算出するためにはいくつもの要因を組み合わせた複雑な計算を行う必要があります。

Q値とは

Q値とは「熱損失係数」のことです。

熱損失係数は壁・床・窓・天井・屋根などから、どれだけの熱が室内から外に出ていくのかを数値化したものです。

UA値とは

UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことです。

外皮平均熱貫流率とは住宅の内部から壁、床、窓(開口部)、天井・屋根などから、どれだけの熱が室内から外に出ていくのかを外皮全体で平均した数値です。

開口部とは

開口部とは?

2020年8月2日

住宅の断熱性能を上げるためのポイントとは?

住宅づくりにおいていかに断熱性能に優れた家を作るかは重要なポイントです。

断熱性能の良し悪しは空調効率に影響することになり、断熱性能が良ければよいほど、エアコンなどの空調機器を省エネで使用することができ、結果的に電気代も安くて済むことになるためです。

この断熱性能を上げるためには、単純に断熱材をより良いものにすればよいと考えがちですが、実はそれほど簡単なことではありません。

というのも、断熱材は安価な物であってもそれなりの性能を備えているため、いかに高品質なものに取り換えたところで、それによって得られる効果は限定的なのです。むしろ追加でかかるコストに比べると、それに見合うメリットが得られないこともあるため、断熱性能を追求するあまりに断熱材にこだわりすぎるのはあまりお勧めではありません。

むしろ、建物の断熱性能を左右するのは窓です。

あまり知られていませんが、壁面や屋根と比べると窓の断熱性能は10分の1程度しかないと言われており、窓が多ければ多いほど室内の暖気や冷気が簡単に外に出て行ってしまうことになるのです。

具体的には、冬場は窓を通って室内から外部に逃げる熱は全体の50パーセント、逆に夏場に窓を通じて室内に入ってくる熱は全体の70パーセントにも上るとされており、これを見てもいかに窓が熱を通しやすいかが分かるのではないでしょうか。

そのため、究極的には窓を一切なくしてしまえば非常に断熱性能のよい家を作ることは可能ですが、実際にはまったく窓のない家を建てることは現実的ではありません。

窓から見える景色もありませんし、空間の広がりも感じられませんし、窓を開けて空気を入れるということもできないからです。

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2020年8月2日

窓の断熱性能を上げるためには?

では、窓の断熱性能を上げるためにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。

その答えは、簡単に言ってしまうと、断熱性能に優れた窓を採用すればよいということになります。

窓は主に窓枠部分にあたるサッシと窓ガラス部分の2つのパーツに分けることができるのですが、それぞれについて熱を効果的に遮断することができるものを選ぶことがポイントとなります。

窓サッシの素材

まず最初に、サッシの断熱性能を大きく左右するのは、使用されている素材です。

もっとも断熱性能が低い素材はアルミであるため、性能にこだわるのであればアルミサッシは選ばない方が良いでしょう。

より高性能のものを選びたいということであれば、樹脂サッシ木製サッシを選ぶのがお勧めですが、その分値段も高くなりますので、予算と比べながら最善のものが何かを考えることが重要です。

なお、窓にあまり費用はかけられないということであれば、価格を抑えつつ性能もそれなりのアルミ樹脂サッシという選択肢もあります。

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2020年8月2日

窓ガラスを選ぶ

次に、窓ガラスですが、単板ガラスよりもペアガラスと呼ばれるガラスを2枚組み合わせた複層ガラスの方が断熱性能は格段によくなります。

さらに性能アップを求めるのであれば、ガラスを三重にしているトリプルガラスも存在しますが、寒冷地などの特殊な環境に家を建てる場合を除いてそこまでこだわる必要はないでしょう。

また、使用するガラスの枚数だけでなく、2枚のガラスの間に断熱性能に優れたアルゴンガスを注入しているタイプやガラスの間を真空にしているタイプも商品化されており、断熱を追求するのであれば、そういったガラスを選ぶというのも選択肢の一つです。

さらに、ガラスの強度を高めるために、ガラスの中に特殊な金属膜を設けたLow-Eガラスと呼ばれるタイプも良く使われるようになっています。

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