- 「木製サッシって、どういうものですか?」
- 「木の窓っていいですよね」
- 「木製サッシについて聞いたことがあります。詳しく知りたい」
この記事ではこのような疑問にお答えします。
今回は「木製サッシとは?そのメリット・デメリット。価格やメンテナンスについて」ご紹介します!
目次
木製サッシとは?
木製サッシとは、文字通り木でできたサッシ(窓・建具)のことをいいます。
木の風合いをそのまま活かすことができ、断熱性や防露性に優れています。
部屋における窓の割合は大きく、窓のサッシによって部屋の印象はガラリと変わります。日本家屋で一般的に使われてきたアルミサッシは、触った瞬間のヒヤッとした感触と同じように、冷たい印象が否めません。
その点、木製サッシなら温かみがありインテリアにマッチするため、木製サッシに魅力を感じてリフォームしたり、新築時に採用したりする人が増えています。
防火性能
実は、アルミサッシが普及する以前の日本では、木製サッシが多く用いられていました。
ただ、気密性が低く、隙間風などがネックとなり、その後、安価で加工がしやすく、長期間使用しても歪みのないアルミサッシが出始めると、多く採用され普及していくことになります。
その後、高性能な木製サッシが登場すると、断熱性・デザイン性で優れていることから、木製サッシを採用することも出てきました。
ただ、実際のところ、価格が高額になることから、なかなか普及はしていません。
一番心配されている防火性ついては、現在9社が防火認定を取得した木製サッシを販売しています。防火認定とは、、国土交通大臣が定めている建築物の火災に対する安全性のレベルをあらわす性能のことをいいます。
防火認定を受けた木製サッシであれば、防火地域や準防火地域であっても使用することができますので、安心して採用できます。
木製サッシのメリット
では、ここからは木製サッシのメリットについてみていくことにしましょう。
見た目がよい
木製のもつ温かみ、素材感を感じられる木製サッシは、見た目が良く、インテリアとの馴染みがいいのがメリットといえるでしょう。
木という自然素材のため洋間でも和室でもマッチし、お部屋全体の雰囲気が優しくなります。
ガラス面積が大きいので開放感がある
木製サッシのフレームが木であることから、強度や断熱性が高いということになり、フレームを細くすることが可能です。
そのため、一般的なアルミサッシや樹脂サッシに比べるとガラス面積を大きくできます。開放感がでてきます。
断熱性能が高い
木製サッシはアルミサッシ比べると断熱性が飛躍的に高くなります。木はアルミに比べると断熱性は1,200分の1といわれています。木製のサッシにすることで、非常に有効な断熱性をもたらすのです。
結露しない
木製サッシはアルミに比べると断熱性が高いです。
そのため、外気温との差が室内に伝わりにくいため、結露が発生しません。
また、木製サッシに使われている窓ガラスもペアガラスやトリプルガラスを採用していますので、窓ガラス全体の結露も防ぐことができます。
エコ・地球に環境に優しい
日本の家屋ではアルミサッシが一般的に使われていますので、世界でもアルミサッシが多く使われていると思われがちですが、実は欧米では木製サッシが一般的でアルミサッシを使っている国はほとんどありません。
木製サッシは寿命が長く、メンテナンスをじゅうぶんにおこなえば、100年以上はもつといわれています。そのため、木製サッシはエコで環境に優しい建具だといえるでしょう。
木製サッシのデメリット
寿命が長く、自然の温かみを感じられる木製サッシですが、デメリットも存在します。
価格が高い
最大のデメリットは「価格が高い」という点です。
別の表現で言えば、アルミサッシが異常に安いというのが本当のところなのですが、木製サッシの場合はフレームの木材という素材そのもののコスト、加工のコストがかかるので、アルミサッシや樹脂サッシより高額になります。
定期的なメンテナンスが必要
木製サッシは、直射日光を浴びたり、雨に当たったりすることで劣化してしまいます。木製サッシは、劣化を防ぐ目的と、見た目の美しさを維持する目的で塗装されていますので、それを維持するためには定期的に再塗装する必要があります。
木製サッシのメンテナンスはこんなことをします
では、木製サッシを美しく保ち、寿命を伸ばすにはどのようなメンテナンスが必要なのでしょうか。
塗装
木製サッシの木材部分に施されている塗装は、経年劣化にともない傷んできます。そのため、3年から5年をめどに、木材保護塗料を再塗装を実施しましょう。
定期的な塗装時期以外でも、以下のような兆候が見られたら再塗装が必要です。
- 水分を弾かなくなった
- カビが発生している
- 退色が進んでいる
再塗装の他にも、窓の金具部分に劣化が見られないかどうかも定期的に点検しておきましょう。
木製サッシには、こんな窓の種類があります
木製サッシは、定期的なお手入れの必要がありますが、自然素材の持つぬくもりや見た目の美しさは、やはり魅力的ですよね。ここからは木製サッシの種類についてご紹介していきましょう。
FIX窓(固定窓)
FIX窓は、はめ殺し窓とも呼ばれていてい、開閉できない窓のことをいいます。
FIX窓は主に採光のために採用される窓です。
トップスイング窓(すべりだし窓)
窓枠に沿って窓が動くタイプです。
開けたときの窓の位置によって横滑り出し窓と縦すべり出し窓の2種類のタイプがあります。
別名・横すべり窓と言います。
ヘーベシーベ窓(片引き窓)・大開口が実現できる窓
ヘーベシーベ窓は、窓を開ける際にレバーハンドルをまわすだけで窓自体が持ち上がりスムーズにスライドする窓のことをいいます。
木製サッシは木自体の重さと複層からなるガラスの重さでとても重いのですが、ヘーベシーベ窓は軽々と操作することができます。
また、部屋の間取りにあわせて大開口が実現できるため、部屋と屋外との一体感を楽しむことできます。アルミサッシや樹脂サッシでは、窓を開けても片側のサッシが残りますが、ヘーベシーベ窓は、サッシがすべて引き込まれるため、まるで部屋が外と繋がったような感覚になります。
木製サッシの価格はどんなものか?
安価で加工のしやすいアルミサッシに比べると、身も蓋もない言い方をすれば、木製サッシは高価です。
もちろん、窓の形状やサイズ、使う素材によって違ってきますが、アルミサッシの数倍は予算が必要だと考えておきましょう。
木製サッシメーカーにはこんな会社があります
では最後に、木製サッシを作っている各メーカーをご紹介しておきましょう。
株式会社アイランドプロファイル(プロファイルウインドー)
株式会社アイランドプロファイルは東京に本社を構えるサッシ製造会社です。株式会社アイランドプロファイルは、木製サッシ業界のパイオニア的な存在です。
また、株式会社アイランドプロファイルは、高級木製サッシの代名詞でもあります。北欧の「PROFIL VINDUET」社と提携し、高精度の木製サッシを造り続けている会社です。
タミヤ株式会社
タミヤ株式会社は、奈良県に本社を置く木製サッシ専門メーカーです。高気密、高断熱、高性能の木製サッシを造り続けて28年以上の実績があります。
公式:タミヤ株式会社
アルス株式会社
山形県に本社を置くアルス株式会社は、「より良いものを次世代に繋ぐ木製サッシ」をコンセプトに、気密性と水密性を向上させながら、木材の断熱性と防露性をいかした「夢まど」という木製サッシを製造しています。
公式:アルス株式会社
キマド株式会社
木製サッシを造り続けて25年のキマド株式会社。木製サッシでありながら、塗装の塗り直しが完全に不要になる「スマートエコウィンドウ」を開発し、注目を集めています。
公式:キマド株式会社
株式会社ノルド
株式会社ノルドは、1985年に北欧の木製サッシ専門メーカー「ハヨムス社」と技術提携を結び、木製サッシを造り続けている会社です。
株式会社ノルドで使用される木材は、欧州から輸入した赤松集成材です。木目が細かく美しいという特徴があります。
公式:株式会社ノルド
ベルックス(VELUX)
ベルックス(VELUX)は天窓メーカーです。
天窓メーカーなのですが、作っている天窓は木製サッシなのです。
ベルックス(VELUX)はデンマークに本社がある天窓メーカーで、北欧は窓が木の窓(木製サッシ)が主流なので、木製サッシの一種になります。天窓のシェアはトップシェアなので、天窓だと木製サッシになる可能性が高いです。
まとめ
木製サッシのメリットやデメリットなどをご紹介してきましたが、木製サッシの良さが伝わりましたでしょうか。
木製サッシは実際に触れてみて、肌でそのぬくもりを感じることで、良さがより実感できるのではないかと思います。