ビルトインガレージの7つのメリット・3つのデメリット。検討するときの注意点など

車を持っている人なら誰しもが憧れる、ビルトインガレージ。

車が好きな人にとって、愛車を見ながら生活ができるというのは、この上ない幸せに感じるのではないでしょうか。

また、地方に住んでいると車は必需品のため、家と車との距離が近いビルトインガレージは便利で重宝します。

ただ、実際にビルトインガレージが欲しいと思っても、具体的にどういうところに気をつけなければいけないのか、わかりにくいですよね。

そこでこの記事では、ビルトインガレージはどのようなメリット・デメリットがあるのか、そしてビルトインガレージをオススメできる人をご紹介します

竹内正浩(編集長)
今回はビルトインガレージのメリット、デメリットについて、詳しく解説していきたいと思います。
ビルトインガレージメリット・デメリット

目次

ビルトインガレージ(インナーガレージ)とは?


ビルトインガレージとは、建物の1階部分に車を入れられるスペース確保し、シャッターやドアを閉めれば完全に車を家の中に格納するものをいいます。建物の内部に車などの駐車場を作った設計ですね。

インナーガレージと呼ぶ場合もあり、車が入るほどの大きなスペースのため、ガレージ以外にも倉庫として活用されるケースもあります。

駐車スペースとしての使い方だけでなく、自転車や車の手入れ用品を置いたり趣味のためのスペースとして活用したりなど、多様な楽しみ方ができることが特徴です。

木造3階建のビルトインガレージや別棟のビルトインガレージも

ビルトインガレージは車を1階部分に格納するため、居住スペースを2階以上に上げる必要があります。

そのため、狭小住宅では3階建ての場合も多いのですが、車が欠かせない生活の場合は便利なものとなります。

また、敷地面積に余裕がある場合は、別棟で愛車のためだけのビルトインガレージを建てるオーナーもいます。車を手入れしたり、DIYをしたりといったことが好きな人には、さながら「趣味の部屋」として楽しまれているようです。

ビルトインガレージのメリット


ビルトインガレージにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

車を雨、風、紫外線から守ることができる

車をビルトインガレージに格納しておくと、雨や風、紫外線から守ることができます。

車を外に駐車しておくと、以下のことを常に心配しなければなりません。

  • 雨で車が汚れる
  • 風で飛ばされた物に当たって傷がつく
  • 紫外線によって塗装が傷む
  • ヘッドライトが黄ばむ

その点、ビルトインガレージであれば、車が建物の中にあるのでこれらの外的刺激から守ることができます。

整備や管理のむずかしい高級外車やクラシックカーなどを保管するには、ビルトインガレージはぴったりの車庫と言えます。

車へのトラブル・いたずら・盗難から守ることができる

車を保管する上で悩まされることになるのが、いたずらや盗難。

外の駐車場ではこのようなトラブルを避けることは難しいですが、ビルトインガレージは入り口にシャッターを設置している設置がほとんどなので、これらのトラブルは基本的に避けることができます。

ビルトインガレージは、シャッターやドアを締めておけば、車は完全に家の中です。一般的な家の横に設置してあるカーポートに車を止めていることに比べれば、いたずらや盗難から車を完全に守ることができます。

愛車を鑑賞して楽しむことができる

車が好きな人にとって、愛車を眺めながらリビングでゆったり過ごすことは憧れではないでしょうか。

ビルトインガレージをリビングから見られるように壁面をガラス張りにすれば、愛車がインテリアの一部にでもなったような感覚で楽しむことができます。

愛車をいじったり、手入れをしたりすることができる

ビルトインガレージの壁面を使って、工具を並べられるようにしておけば、いつでも愛車をいじったり、手入れをしたりすることができます。愛車の手入れ用品は数が多く、意外と場所を取りますので、ビルトインガレージの中に収納場所を確保しておけば、いつでも手入れをすることができます。

ガレージ部分を秘密基地みたいに趣味のスペースにできる

ビルトインガレージは、車の手入れ以外にも趣味の部屋として活用することもできます。

いわば秘密基地。

コレクションしているものを並べて楽しむ、車を見ながら仲間とお酒を楽しむ、ものづくりを楽しむなど、ビルトインガレージには可能性がたくさんあります。自転車やサーフボードなどを飾ったりして、自分だけの趣味空間を作ることができますね。

荷物があっても、雨にぬれずに出入りできる

ビルトインガレージの最大のメリットは、雨にぬれずに出入りができることです。

マンション住まいや月極駐車場を利用した経験のある方なら、雨の日に車から荷物を運ぶ面倒にうんざりした経験があるのではないでしょうか。両手に山ほどのレジ袋を抱え雨に打たれて玄関を目指すと、「どうして俺がこんな目に…」と思わず考えてしまうことが少なくありません。

家と直結して作られたビルトインガレージなら、多くの荷物があっても、雨に濡れずに家への出入りができます。重たい荷物を運ぶときでも、しっかり時間をかけて運ぶことができます。

道路に車を停めることもないので、通りすがりの車にクラクションを鳴らされてイライラすることも無縁です。

ビルトインガレージなら「車ごと家の中に入る」というイメージですので、雨にぬれることもなく、荷物を容易に運び入れることができます。

また、小さなお子さんやご高齢の方がいるご家庭でも、傘をさして自宅に入らずに済みますのでケガの心配も少なくなります。

ガレージ内に収納があると、外部収納ですごく便利

また、ガレージ内に収納をつけることによって、すごく便利になります。
例えば、アウトドア用品、キャンプ用品を収納することもできますし、外用の荷物や生ごみを滞留させることができます。空き缶やペットボトル、空容器なども置いておくことができます。

カーポートとビルトインガレージの違い


車を守ったり、ガレージライフを送るため、という感じでビルトインガレージという選択肢がありますが、一方で、カーポートという選択肢もあります。ここではカーポートとビルトインガレージの違いを考えてみます。

まず、カーポートの場合は建物と離れてしまうので、どうしても雨風が入り込みます。加えて、カーポートに付随しての収納を作ることもできないので便利度数がダウンします。

単純に車を傷めないためという目的でカーポートはないよりはあったほうがいいとは思います。ただ、せっかくお金をかけるのであれば、最大限おしゃれに、最大限便利に、安心して雨風をしのぐことができるガレージのほうが有用ではあります。

もちろん、その分だけ費用・コストがかかりますから、カーポートのほうが安価ですから、コスト優先で愛車を守るという目的であればカーポートでもアリだと思います。予算もありますので。

ビルトインガレージのデメリット


車が生活に欠かせない人にとって、ビルトインガレージはメリットばかりのようですが、デメリットはないのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

費用(お金)がかかる

一般的なカーポートは、庭に柱を立てて屋根を取り付けるだけですので、車一台分なら物にもよりますが20万円-40万円前後でおさまります。けれども、ビルトインガレージは車を格納するスペースを家の中に作るため、家の強度や耐震性を保つための建築コストが高くなってしまうのです。

敷地のスペースを取られる

ビルトインガレージは、家の中に車をとめるスペースが必要になります。

その分、居住空間が削られてしまいますので、敷地面積が狭い場合は階層を重ねなければなりません。

間取りの問題:2階にLDKなどの生活スペースをもっていく必要がでてくる可能性も

前述したように、ビルトインガレージは建物の敷地面積を使って車を格納します。

そのため、通常は1階にあるリビングダイニングなどの生活スペースやキッチン、バスルームといった水回りを2階に設置しなければならなくなります。敷地によっては居住スペースが狭くなる可能性もあります。

そうは言っても、「やっぱりなんとか工夫をこらしてビルトインガレージを作りたい!」 という人もおられるのではないでしょうか。そこで次は「ビルトインガレージをオススメするのはこんな人」をご紹介していきましょう。

ビルトインガレージはこんな人にオススメ


ビルトインガレージは次の3つのタイプにオススメです。

車が大好き・こだわっている人

車を見ているだけで幸せがこみ上げてくる、愛車の整備を自分でするといったこだわりのある人にビルトインガレージはオススメできます。使い慣れた机やイスを持ち込んで、お酒を飲みながらゆっくり愛車を鑑賞できるのもビルトインガレージのメリットです。

また、車が大好きだったり、こだわりを持っている人は愛車をきれいに、長持ちさせるためにビルトインガレージをつくって駐車することはオススメです。

フェラーリやベンツといった高級車をお持ちの方も、愛車をきれいに維持するためという目的と防犯という観点からも、ビルトインガレージはオススメできます。

実際、フェラーリといった高級車は盗難リスクが高いので、ビルトインガレージのような室内に駐車できないと自動車保険料も上がるそうです。

土地の価格(地価)がとても高い地域に住んでいる人

土地の価格(地価)がとても高い地域に住んでいる場合、駐車スペースを確保するための土地にお金がものすごくかかります。そこで、ビルトインガレージにすることで必要な敷地面積が少なくてすみます。

そういうわけで、土地の価格がとても高い地域に住んでいる場合、ビルトインガレージにすることで、トータルのコストをおさえることができます。

家の出入りで雨にぬれたくない人

マンションと違い、一戸建ての多くは外に車をとめる駐車場を設けることが多く、雨の日は車から降りて家に入るまでの間にぬれてしまうことがあります。

特に大きな荷物を持ったまま家に入る場合は、傘をさすこともままならないため、気がつけば荷物までぬれていたということもしばしば……。

ビルトインガレージであれば、車に乗るときも家の中から乗ることができ、帰りはすでに建物の中なので、雨にぬれることもありません。

ガレージにつけるシャッターの種類


ビルトインガレージの最大の目的は車を守ることです。

シャッターを設置すれば盗難やいたずらから守れるだけではなく、紫外線やホコリから守ることができます。シャッターは、自動で開閉できるものや音の静かなものまで様々なものがありますが、ここではその代表的なものをご紹介します。

オーバースライダー

オーバースライダー式のシャッターは軽量で、なおかつ開閉時の音が静かという特徴があります。

シャッター本体は、天井まで設置されたレールに沿って格納されるため、ある程度の天井の高さが必要になりますが、開閉にあまり力を必要とせず比較的静かです。

材質はアルミの他、味わいのある木製タイプもあるので、外観にこだわる人に人気のシャッターとなっています。

巻き上げ式

一般的なチェーンで巻き上げるタイプのシャッターです。

シャッター上部に格納されるため場所を取らず、重いシャッターも軽く持ち上げることができます。ただ、音が非常に大きいというデメリットがあります。

ベルト式シャッター

チェーンの代わりにベルトになっているシャッターです。

開閉時の音が静かという特徴があります。ただ、重い素材には向きません。

素材や開閉方法で選ぶ

シャッターをリモコンで開閉するのか、手で開閉するのかによって価格も使い勝手も違ってきます。またシャッターの素材には軽量なアルミや見た目の優しい木製など、様々なものがありますので予算やイメージにあったシャッターを選びましょう。

まとめ


車好きなら誰でも憧れるビルトインガレージ。

お金がかかる、居住スペースが削られるなどのデメリットはありますが、実用性が高く、大切な車を守る重要な役目を果たします。ぜひ、家族と話し合いながらこだわりのビルトインガレージを手に入れてください。