高気密高断熱住宅にはかかせない「サッシ性能」。
このサッシの断熱性能を高めたい場合、重要になってくるのが「ガラス」です。
考えてみれば簡単で、窓のほとんどは「ガラス」です。サッシは窓の枠のことですから、面積的には小さいです。
そこで今回は高気密高断熱住宅の建築に欠かせないガラスのうち、かなりハイスペックな部類にはいる「トリプルガラス」について解説します。
目次
トリプルガラスとはどんなガラス?
通常の1枚ガラスは、シングルガラス(単板ガラス)と呼ばれています。ペアガラスは、ガラスを2枚使い、そのガラスとガラスの間の層に空気やアルゴンガスまたはクリプトンガス封入したものです。
トリプルガラスとは、3枚のガラスを使い、ガラスとガラスの間の2つの層に空気、アルゴンガスまたはクリプトンガス封入したものです。
ペアガラスにさらに1枚ガラスを追加し、ガスを封入した層をもう一つ追加したものが、トリプルガラスとなります。トリプルペアガラスと呼ばれることもあります。
トリプルガラスのメリット
トリプルガラスは、北欧の住宅では古くから普及しており、様々なメリットがあります。
日本でも、住宅への採用が増えています。
そんなトリプルガラスのメリット、デメリットを紹介していきます。
断熱性が非常に高い
トリプルガラスのメリットは、何といっても高い断熱性です。
ペアガラス・トリプルガラスのガラスとガラスの間によく封入されているアルゴンガスまたはクリプトンガスは、空気よりも熱を通しにくい気体です。これによって、窓やサッシ等に使用された場合、高い断熱効果が発揮されるという仕組みです。クリプトンガスの方がアルゴンガスよりも断熱効果が高いです。
断熱効果が高いので、冷暖房費用を抑えられ、電気代の節約になります。
結露しない
窓やサッシの前だけが寒いなどということもありません。
断熱性能が非常に高いので、温度差によって引き起こされる結露が起きにくいです。
こまめな拭き掃除等をしなくてもカビやダニ等が発生しにくいので衛生的な状態を保てます。
遮音性が高い
トリプルガラスのメリットは、まだあります。高い遮音性、防音性です。
窓やサッシ等に使用された場合、外を走る車や電車の音、近所の生活音など気にせず過ごすことができます。また、室内の生活音も外には漏れにくくなりますので、安心して音楽なども楽しむことができ、夜勤シフトなどで不規則な生活の方は夜中や明け方などに生活音が近所迷惑になる心配をしなくてもすみます。
防犯性も高い
戸建住宅では泥棒が侵入するのは約6割が窓からとの調査結果があります。
トリプルガラスの窓やサッシは、シングルガラスと比較すると厚みや強度があり、このため防犯性が高いです。防犯フィルムと一体になっている商品もありますので、このようなタイプを選べばより防犯効果は高まります。
トリプルガラスのデメリット
メリットの多いトリプルガラス。
では、デメリットはないのでしょうか?
価格が高い
このようにトリプルガラスは、高性能で様々なメリットがあるため価格は高いです。
「単板ガラス < ペアガラス < トリプルガラス」
以上の価格グレードになります。
ガラスの枚数がそれぞれ1枚ずつ多くなるわけですから、当然ですね。
トリプルガラスのガラスとガラスの間の2つの層に使用されているガスのうち、クリプトンガスの方が断熱性が高いことを紹介しましたが、価格もクリプトンガスのほうが高価格です。これは、クリプトンガスが非常に希少性の高いガスであるためです。
トリプルガラスは、価格が高いため予算に余裕がない場合は、必要な窓やサッシのみトリプルガラスにするのもお勧めです。また、北海道や東北などの寒冷地では、トリプルガラスの普及率が高いため、他地域と比較すると価格はやや割安となっているようです。
重い
トリプルガラスは、単純にガラスが増える分、重量が重いです。
窓やサッシに使用した場合、通常の取っ手や引手では開け閉めしづらいことも予想されるため、開けやすい形状の取っ手や引手を検討したほうがいいでしょう。ハンドルタイプに変更するのもお勧めです。
また、重量が重いので、トリプルガラスに見合った窓枠やサッシを選択することも重要です。
厚い
トリプルガラスは、ペアガラスのおよそ2倍の厚みがあるので、リフォームなどで窓やガラスのみ入れ替える場合は施工に工夫が必要となってきます。重量対策としての場合と同様に、トリプルガラスに見合った窓枠やサッシを選択しなければなりません。
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トリプルガラスを使ったサッシといえば、YKK APのAPW430になります。樹脂サッシでトリプルガラスですね。
あとはサッシメーカーのYKKAPさんですね。
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