家を建てるときに、窓をどうするのかということはとても大切なことです。
窓は外からの光を取り込むだけでなく、空気の入れ替えや断熱性にも影響を与えるため、よく考えてから選ぶといいでしょう。
ガラスには多くの種類がありますが、一般住宅でよく見かけるのは「単板ガラス」と「複層ガラス」です。
目次
そもそも単板ガラスとは何?
単板ガラスとは、名前のとおり1枚のガラスでできていて、昔から住宅でよく使われてきたガラスです。
複層ガラスは2枚の単板ガラスを組み合わせて作られたガラスです。割れにくい・断熱性が高いという点から、新しく建てられる家ではよく使われるようになっています。
単板ガラスにもメリットはあるの?
新しい住宅は断熱性や気密性を重視するため、昔からの単板ガラスはあまり使われなくなっています。
では単板ガラスにはメリットがないのでしょうか。
加工がしやすい
単板ガラスにもメリットは存在し、そのひとつが加工のしやすさです。
単層ガラスの厚みは2~19ミリという幅がありますが、一般住宅でよく使われるのは3~6ミリです。どの厚みの単板ガラスを使用したとしても、1枚であることから加工がとてもしやすいと言えます。
またすりガラスや型板ガラスも単板ガラスの一種です。
お風呂場など視線を遮りたい時によく使われます。このように種類が多く、加工もしやすいのが単板ガラスのメリットなのです。
価格も安い
価格の面でも、単板ガラスは複層ガラスよりも魅力があります。
具体的に、一般的な規格の単板ガラスは6,000円くらいですが、複層ガラスを選択すると30,000円ほどに価格が跳ね上がります。
機能性が高いのは複層ガラスではありますが、家全体のことを考えると価格差は大きくなることでしょう。
単板ガラスのデメリットは?
では、単板ガラスのデメリットはどのようなものでしょうか?
割れやすい
単板ガラスとは1枚のガラスでできていることから、どうしても割れやすいというデメリットはあります。
しかし小さな子供がいなかったり、人の手が届かない場所にある窓であれば、割れやすいというデメリットはあまり考えなくてもいいでしょう。もし心配であれば、少し厚めの単板ガラスや網入りガラスを選択するという方法もあるからです。
断熱性が低い
それよりも、単板ガラスで注意しなければならないのは、熱貫流率つまり断熱性です。
真冬に、窓を閉めて暖房をつけているのにちっとも暖かくならないという経験をしたことはないでしょうか。これは暖房によって暖められた温度が、部屋の外に逃げて行っているからです。
これを伝熱損失と言います。伝熱損失は壁や床などでも起こりますが、もっとも伝熱損失が大きいのが窓ガラスなのです。
窓の大きさにもよりますが、部屋の伝熱損失は窓ガラスからが50%に上ることもあります。
冬はせっかく暖房で暖めても窓ガラスから外に熱が逃げていき、夏はエアコンで部屋を冷やしても窓ガラスから外の熱が入ってきてしまう、この伝熱損失が大きいのが単板ガラスです。
単板ガラスの熱貫流率は複層ガラスの4倍以上とも言われていて、伝熱損失が大きいということは部屋の中の快適性が損なわれるだけでなく、冷暖房にかかる光熱費も高くなります。
結露が起きやすい
家の中と外の気温差が大きいと、窓に結露がついてしまいますが、これが起きやすいのも単板ガラスです。
結露はカビの原因になり、ときには住宅の基礎となる柱や土台を腐らせたりすることもあると言われています。
単板ガラスはどこに使うといいの?
値段が安いこと・加工がしやすいことがメリットである単板ガラスですが、うまく取り入れることで住宅にかかる費用を抑えることができます。
例えば、室内にデザイン窓を取り付ける場合です。リビングと子供部屋をつなぐ壁に室内窓を取り入れたりする場合、単板ガラスならば思い通りに加工ができるため、デザイン性が高い窓を安く作ることができます。
また、寒冷地の場合、複層ガラスでは十分な効果が得られないこともあります。単板ガラスの二重サッシの方が、結露や断熱性が高くて住みやすいという地域もあるのです。
新築で家を建てるという場合は、ほとんどが複層ガラスでの提案になっています。
外壁につながる窓であれば、複層ガラスを選んだ方がメリットが大きいと言えますが、部屋の壁におしゃれな窓を取り付けたいと検討しているならば、単板ガラスも選択肢に入れておくといいでしょう。
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