注文住宅の家づくりをする上で気になることのひとつが「窓(サッシ)」です。
なぜ、「窓(サッシ)」が気になるのかといいますと、窓の枠に水滴がつく「結露」がしない窓、断熱性能があがって冬寒くない窓、そういう窓を現在の注文住宅であれば、選ぶことができます。
つまり、家をより快適にすることができるのです。
夏涼しく、冬暖かい家をつくるには、壁のなかにある「断熱材」が重要ですが、同じくらい「開口部」と呼ばれる「窓(サッシ)」が重要になります。
また、ちなみに一戸建て住宅の窓は「サッシ」と呼ばれます。
「アルミサッシ」というフレーズは聞いたことがあるかと思います。
そのサッシです。
サッシについては、アルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシというバリエーションがありまして、後の方ほど性能と価格が上がっていくパターンです。
今回はその「窓(サッシ)」のメーカーである「YKKAP」について詳しく解説していきます。
目次
YKKAPとは、どんな会社か?
YKKAPは正式社名は「YKK AP株式会社」です。
YKK(旧・吉田工業)という名称は聞いたことがおありかと思います。
YKKはファスナーの会社として、日本では8割以上のシェア、世界的にもトップシェアを誇るファスナー事業会社。
その子会社として、スライドファスナーの輸出などを手掛ける「吉田商事」として発足したのがこのYKKAPです。
ちなみに社名の「AP」の部分は「Architectural Products(建設資材)」の略。
また、YKK APはYKKグループ全体の売上高の約半分強を占めるようになり、YKKグループにとって大きな柱となっています。
ファスナーの会社がどうして、窓・サッシの会社になったのか?創業ストーリー
「では、ファスナーの会社がどうして、窓・サッシの会社になったのか?」
というのが素朴な疑問です。
その答えは「原料」です。
ファスナーの加工・販売を展開するYKKはその加工の過程でファスナーの原料となるアルミ合金の加工・生産技術を培ってきました。その技術とノウハウを転用して、事業を展開しようと考えたときに、アルミ建具・アルミサッシの分野に進出することとなります。
そうして、アルミサッシの生産・販売の企業として、YKK APが歩んでいくわけです。
YKK APの国内・窓(サッシ)シェアなどは?
現在、日本のサッシメーカーの大手は3社くらいです。
具体的には「YKK AP」「LIXIL(リクシル)」「三協立山」の3社です。
YKKAPの国内シェアは第二位。
1位はLIXIL(リクシル)、2位がYKK AP、3位が三協立山です。
YKKAPは海外展開もしていまして、台湾や香港、アメリカなどにも展開しています。ただ、海外事業でのサッシは基本的には高層ビルやマンションといった大規模建築物のガラス窓など、大型物件になります。ビル用途がメインになっています。
YKK APの窓(サッシ)と他社との違い・強みとは?
では、YKK APの窓(サッシ)と他社との違い・強みはどのようなものでしょうか?
一言で言えば「Made in Japan」です。
YKK APはその考えとして「現地の製品は現地人の手で現地でつくる」という考えを持っています。
短く言えば「地産地消」です。
たとえば、中国では中国人の手で、中国のための製品を生産します。
また、アメリカではアメリカ人の手で、アメリカの製品を生産します。
同じように、日本でも、日本人の手で日本のための製品を生産しています。そういうわけで、アルミや樹脂といった原材料以外のところでは、ほぼオリジナルでYKKAPが日本でつくっています。メイドインジャパンの商品です。
窓(サッシ)の国内シェア2強の「YKK AP」「LIXIL(リクシル)」の間の大きな違いになります。たとえば、「LIXIL(リクシル)」のアルミ樹脂複合サッシの規格品はほぼベトナムで生産されています。かなり意外な違いになります。
YKKAPの窓ラインナップ
YKK APの窓商品の種類としては、大きく3種類あります。
- 樹脂サッシ(APW330など)
- アルミ樹脂複合サッシ(エピソード、エピソードNEO)
- アルミサッシ(フレミングJ)
以上の3つです。
「APW330」YKKAPの樹脂窓
YKKAPの主力商品のひとつが「APW330」です。
APW330は樹脂窓(樹脂サッシ)になります。
樹脂窓は窓枠が樹脂(プラスチック)になります。
樹脂は熱伝導をしづらい、つまり、熱を通しにくいので断熱性能が高いです。
具体的にはアルミの約1400分の1しか熱を伝えません。
断熱性能の高い窓は外気の影響を受けにくく、窓の表面温度の変化が少ないです。
そのため、窓が結露しにいのです。
窓近くのカーテンが濡れたり、カビが生えたりすることがないです。
加えて、樹脂窓だと省エネになりますから、冷暖房費を節約することができます。
「エピソードNEO」YKKAPのアルミ樹脂複合窓
アルミサッシのコストメリットと樹脂サッシの断熱性能の高さを組み合わせたものが「アルミ樹脂複合窓(サッシ)」となります。
YKKAPの商品名としては「エピソード」「エピソードNEO」になります。
ベースとしてはアルミサッシですが、窓の室内側に、断熱性・防露性に優れた「樹脂」を用いています。そのため、断熱性能が向上。窓周辺を外気の影響から守り、不快な結露の発生を減らして、健やかな室内環境を保ちます。
アルミサッシがベースになりますから、価格はAPW330よりも安くなります。
アルミサッシの大きなメリットのひとつがやはり価格面です。安いです。
「フレミングJ」YKKAOのアルミサッシ
フレミングJはアルミサッシで「樹脂アングル窓」と呼ばれるものです。
内側もアルミ、外側もアルミです。
ただ、アングル部と呼ばれる、内装部に接する面が樹脂になります。
これが樹脂アングルです。
樹脂アングルを採用することで、優れた防露性能を発揮します。
アングル部の不快な結露を抑え、内装材の腐食やクロスの汚れを防ぎます。
アルミサッシなので、価格的には安いです。
YKKAPの玄関ドア「ヴェナート」
YKKAPの玄関ドアとしてポピュラーなものは「ヴェナート」です。
断熱玄関ドアです。
豊富なデザインとカラーバリエーション、2ロックのシリンダー錠の断熱玄関ドアです。
片開きの標準サイズでの有効開口は806mm。
車いすでの出入りや大きな荷物の出し入れも余裕をもって行うことができます。
カギの仕組みも、オプションですが、通常の手動錠だけでなく、追加で2種類あります。ピタットkeyとポケットkeyです。
わかりやすく表現すれば、カードキーとリモコンキーです。カードがカギになるものと、自動車などと同じようなリモコンで鍵を開け閉めできる仕組みです。
便利です。
YKK APの玄関ドア「ヴェナート」についての詳しい情報はこちら
YKK APの玄関ドア「ヴェナート」についての詳しい情報はこちらの記事をどうぞ。
YKKAPのCMが印象的
最近のYKKAPはテレビCMでも話題になっています。
と言いますのも、フィルムタッチで描かれている「猫」を特徴とした映像が人気になっているからです。
猫好きの方々、注目のテレビCMです。
CMの猫がカワイイ
百聞は一見に如かず、ということで、テレビCMの動画を掲載します。
「窓と猫の物語」というコンセプトで、数年に渡ってテレビCMを展開しています。
YKKAPのカタログはこちらから閲覧・入手できます
YKKAPのカタログはウェブカタログとして、ほとんどのカタログが掲載されています。
ご興味がある方は、こちらのリンクよりご確認ください。
その他、実際の紙でのカタログをご請求希望の方は下記リンクより、YKKAPサイトのカタログ請求ページよりご連絡されてください。
>>YKK AP公式ページ:カタログ請求
YKKAPのショールームはどんなところ?
「YKKAPの窓(サッシ)実物を実際に見てみたい」と思われた方におすすめなのが、ショールーム訪問です。
日本各地にあるYKKAPショールームでは窓(サッシ)の実物や玄関ドアの展示、エクステリア商品の展示、断熱体感コーナーなどがあります。
YKKAP福岡ショールームの詳細情報
YKKAP福岡ショールームはキャナルシティ博多内にあります。
TOTO、ダイケンと一緒にTDYコラボレーションショールームとして、3社のショールームが一か所になっています。
TOTOのトイレ・ユニットバスと一緒にショールーム訪問されると時間効率がいいですね。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
住所:〒812-0018 福岡県福岡市博多区住吉1-2-25 キャナルシティ・ビジネスセンタービル3F
営業時間:10:00-17:00
休館日:毎週水曜日(但し、祝日の水曜日は開館)、夏期休暇、年末年始
地図:
まとめ
日本の窓(サッシ)メーカーの2強のひとつとして存在感のあるYKK AP。
窓や玄関ドアに関するタイミングでショールームを訪問されることもあるかと思います。
少しでも、参考になりましたら、幸いです。