建築面積と延べ床面積の違いは何?詳しく解説!

目次

建築面積とは真上から建物を眺めたときの面積

建築面積とは、真上から建物を眺めたときに外周で求められる面積で、水平投影面積とも呼ばれます

定義上は、2階以上の階でせり出している部分を1階部分の面積に加算した面積とされていますが、建物の屋根を取り外して真上から眺めた面積と考えると分かりやすいでしょう。

建築基準法では、建築物の外壁もしくは柱の中心線で囲まれる部分の水平投影面積です。

ちなみに建ぺい率はこの建築面積が、敷地面積の何パーセントかを示す数字のことです。

建ぺい率、容積率とは、何ですか?

2020年8月2日

具体的にいえば、平屋の場合には外壁や柱の中心線が基準線になり、その基準線に囲まれている部分が建築面積になります。

一般的な建物では、1階部分の面積が建築面積に該当するケースが多いです。

2階建ての場合、2階が1階と同一の大きさか、2階部分がすべて1階の範囲に納まっていれば、建築面積は平屋と同じ方法で求められます。

2階部分の面積が1階より大きく設計されている建物もありますが、その場合の建築面積は、2階部分を地面に投影した面積となります。

反対に、2階部分が1階よりもせり出している建物は、1階からせり出している部分を水平投影して1階に加えた面積か、真上から眺めたときの面積が建築面積です。

建築面積を具体的に求めるときは、細かい規定が存在します。

たとえば、バルコニーや玄関ポーチなどの開放性が高い部分は建築面積には加算されません。

ただし、柱が設けられている場合や、3方向が壁に囲まれている場合は建築面積に含まれます。

さらに、バルコニーが1メートル以上出ていれば、1メートルを超えた部分が建築面積に加算されます。

つまり、1m50cmなら50cmに横幅を掛けた分だけ加算されるわけです。

出窓に関しても、条件によっては建築面積に含まれます。

建ぺい率(建蔽率)とは?どういう制限がかかるのか?

2020年8月2日

延べ床面積は各階の床面積をすべて合計したもの

延べ床面積とは、建物において各階の床面積(壁あるいは柱の中心線で囲まれている部分の面積)すべてを合計した数値のことです。

延べ床面積は、室内空間の広さに関係する「容積率」を算出する際に使われます。

たとえば、3階建ての建物の場合、1階と2階の床面積が40平方メートルで、3階の床面積が30平方メートルなら、これらの数値を合計した110平方メートルが延べ床面積となります。

建築面積との違いは、延べ床面積が実際にその建物を使用できる面積を示している点です。

延べ床面積はその家全体の面積を示すので、建物の規模を知りたいときに重視される数値です。

仮に、建築面積が同じ100平方メートルでも、10階建ての建物と平屋では実際に活用できる広さに約10倍の違いが生じます。

ただし、延べ床面積に算定されない部分も存在し、吹き抜けなどの床のない部分もそれに該当します。

また、ベランダおよびバルコニー、玄関ポーチなどは、外壁からの出幅2m以下の部分までは延べ床面積に含まれません。

同じように、建物の外側の壁で囲まれていない空間も2m以下なら含まれず、2m以上出ている部分だけが延べ床面積に含まれます。

さらに、ロフト(小屋裏収納)を設けている建物では、条件によっては延べ床面積に含まれないケースもあります。

たとえば、1.4m以下の天井高なら含まれませんし、面積がロフトを設けている階の2分の1以下であったり、はしごが固定されていなかったりする場合は、延床面積に含まれません。

そして、一定条件を満たせば延べ床面積に含まれない空間もあります。

ビルトインガレージの取扱い

駐車スペースを建物の中に設置するビルトインガレージもその1つです。

ビルトインガレージは、延べ床面積すべての5分の1以内なら延べ床面積に含まれず、それを超える場合に加算されます。地下室も同様で、一定の基準を満たしていれば延べ床面積には算出されません。

なお、階段はこの限りではなく、玄関やひさしも2mを超える奥行きがあると算入されます。