YUCACOシステム(全館空調システム)の特徴とメリット、デメリットを解説

  • 「YUCACOシステムって、どんなもの?」
  • 「全館空調システムについて詳しく知りたい」

この記事ではこのような疑問にお答えします。

YUCACOシステムとは?YUCACOシステムの概要

YUCACOは「Your Uniform Conditioned Air Configuration」を略した言葉であり、「あなたにとって快適に調整された空気環境」といった意味合いを持ちます

YUCACOシステムは、高い気密性能と高い断熱性能を備えた住宅で活用されるシステムです。

省エネルギーなシステム構造

YUCACOシステムの大きな特徴の1つとして挙げられるのは、その省エネルギーなシステム構造です。

YUCACOシステムは高効率のエアコンを1台用いるだけで、住宅内のすべての空気環境を制御する全館空調が実現できます。

YUCACOシステムで重要になる要素は、大きく分けて3つです。

  1. 住宅の躯体性能
  2. 高効率のエアコン
  3. 高機能の小型ファン

1つ目がシステムを導入する住宅の躯体性能で、2つ目が高効率で高効果のエアコンです。そして、3つ目が効率の高い全館空調を実現する高機能の小型ファンです。

1台だけのエアコンで住宅全体の暖房や冷房といった空調を担うのがYUCACOシステムの特徴であると同時に、それを可能としているのがこの3つの要素を組み合わせる技術力だと言えます。

YUCACOシステムのメリットは?

従来の全館空調はコストがかかり、効率がそれほど良くないシステムだというイメージを持つ人も少なくありませんでした。しかし、エネルギーを有効に活用する技術の発達に伴い、コストがそれほどかからず、また効率の良い省エネルギーな全館空調が可能となっています。

YUCACOシステムもそうした高効率な全館空調の1つであり、ランニングコストも初期コストも比較的抑えた全館空調であるという点がYUCACOシステムを導入する大きなメリットだと言えます。

YUCACOシステムは、住宅の床下空間を有効に活用するシステム

YUCACOシステムは、住宅の床下空間を有効に活用するシステムです。

快適に調整された空気が床下に吹き出すことで床を温めたり、冷やしたりできるのがYUCACOシステムの特徴です。

こうした空調システムは効率的な空調という面において、あまり優れた性能を持っていないこともある木造の戸建住宅や小規模なマンションの住戸などに効果的と言えます。したがって、YUCACOシステムを導入することで、今まで省エネルギーで高効率な空調に対して苦手意識を持っていた住宅でもより快適な空調設備を実現できるという利点があります。

YUCACOシステムは全館空調であると同時に、床下の空間を起点とした床チャンバー方式であるため、住宅内の床面全体が快適な空気環境を媒介する役割を果たします。

この仕組みによって、床下に当てられる放射熱が床面からより均一に近い温度環境を作り出すため、YUCACOシステムは優れた快適性を持つ空調方式だと言えるのです。

さらに、YUCACOシステムの快適さは、空気環境だけに留まりません。一般の住宅では備えつけられていることが多いエアコンが、YUCACOシステムを導入した住宅ではほとんど必要ないのです。

つまり、室内のデザインや雰囲気に影響を与えるエアコンが居室に出てしまう心配がありません。

このように、住宅の空気環境とともに室内のデザイン性にも良い影響を与えるのも、YUCACOシステムのメリットでしょう。

YUCACOシステムのデメリットは?

YUCACOシステムを導入するためには、全館空調を取り入れる住宅の躯体が高い気密性能と高い断熱性能を有している必要があります

つまり、システムを導入するまでに住宅環境を整える必要があり、そうした準備に費用がかかることがデメリットだと言えます。

一方、日本では建築される住宅の断熱性能を一定以上にすることが義務化されています。そして、YUCACOシステムの導入に必要な建物の断熱性能はこの国が定めた基準より少しだけ高いレベルです。

したがって、全館空調の導入のために特別な改修工事を必要とすることはなく、例えばのグレードや断熱材の性能を高めるだけで済むなどそれほど大きな費用がかかるわけではありません。

他には、1つのエアコンにより住宅全体の空気環境を整えることができるのがYUCACOシステムの特徴であり、メリットですが、だからこそ1箇所が故障することで家全体に影響が及んでしまうというデメリットもあります。

YUCACOシステムのコスト・費用は?

YUCACOシステムを導入する住宅によって違いがありますが、一般的にシステムの導入のために大規模な費用を投じて住宅改修をする必要はあまりないでしょう。一方で、YUCACOシステム自体にかかる初期コストは100万円ほどです。

一見大きな額に見えますが、YUCACOシステム導入後にかかる暖房費や冷房費、換気費といったランニングコストは年間を通して低減する場合が多いです。

全館空調であるにもかかわらず、それに用いる主な空調設備は1台のエアコンだけであるため、そこに快適に調整された空気を家中に行き渡らせるファンの動力を加えても、低いランニングコストが実現できるからです。

YUCACOシステムのメンテナンス性は?

YUCACOシステムに必要な日常の手入れは、主に掃除機による給気清浄フィルタユニットという部分の掃除です。

このユニットには粗塵虫フィルタと給気清浄フィルタがあり、それぞれのフィルタは比較的容易に取り外すことができ、汚れに応じて水洗いもできるため、手入れはそれほど難しくありません。

粗塵虫フィルタの手入れの目安は3か月に1度で、給気清浄フィルタの手入れの目安は年に1~2回程度です。空調関連の設備には欠かせないフィルタの手入れですが、YUCACOシステムなら部屋ごとに掃除をしなくて済むという利便性もあります。

また、YUCACOシステムはシンプルな構造の全館空調を実現しているため、メンテナンス性が高く、不具合が起こらないよう事前に対処することもできます。万が一トラブルが起きても、その構造のシンプルさゆえに、修復までにかかる時間が比較的短くて済みます。

YUCACOシステムの評判・口コミはどうか?

YUCACOシステムを取り入れた住宅に住む人の意見で多いものは、その快適さを喜ぶ声です。

中でも、家中のどこにいても均一の温度環境で過ごせることを魅力に挙げる人が多いです。快適な空気を家中に運ぶファンの強さも弱めに設定していて問題がないという感想もあり、YUCACOシステムの効率の高さが伺えます。

一方で、冬場の湿度コントロールの難しさに悩む人も中にはいるようです。しかし、加湿器を設置することで比較的容易に問題を解決できるという意見もあるため、必要に応じて加湿器を取り入れることもより快適な空間を作り出すのに有効でしょう。

また、小さな子供を育てている家庭でも、YUCACOシステムは効果的です。

その例として、風呂上がりの子供が湯冷めすることがほとんどなく、快適に過ごせるという声が寄せられています。加えて、子供を風呂に入れる際、廊下や脱衣所の寒さが気にならないことで安心感が得られるという意見もあります。

こうした意見から、YUCACOシステムなら住宅内の温度を一定に保てるため、子供だけではなく高齢者をはじめ、住宅で暮らすすべての人をヒートショックから守る効果が期待できると言えるでしょう。

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でんホーム株式会社 取締役・編集長。設計に口出し、現場を管理し、記事にも口出しする何でも屋さん。油山幼稚園→堤小→長尾中→福岡中央高→九州大学経済学部卒。2人の娘を持つ。【趣味】読書