マイホームの夢をかなえたい!でも、できるだけ予算は抑えたい……という人から注目を集めているローコスト住宅。
自分の家が建つのは嬉しいけれど、そんなに安くて本当に大丈夫なのか気になりますよね。
そこで今回は、ローコスト住宅がなぜ安いのか、どんなメリット・デメリットがあるのかを解説しています。
目次
ローコスト住宅とは「安価に建てられる注文住宅」のこと
ローコスト住宅とは「ロー=低い」「コスト=費用」という名前のとおり、費用を低く抑えて建てられる注文住宅のことをいいます。
一般的に注文住宅を建てようとすると、どんな間取りにしようか、どんな設備にしようかと家族の要望や夢を聞きながら設計していきます。すると家族みんなの希望がすべて詰め込まれてしまいますので、あっという間に予算オーバーということになってしまいます。
一方のローコスト住宅は、注文住宅といえども間取りや家のデザインに規格があるため、設計費用や設備にコストがかからず、安く抑えることが可能なのです。
次から、ローコスト住宅がなぜ安いのかという理由を掘り下げてみましょう。
「なぜ、安い?」ローコスト住宅が安い理由
ローコスト住宅がなぜ安いのか、その理由は大きく分けて4つあります。
- プランが規格(あらかじめ決まっている)
- 材料費(建材、設備、仕様)が安い
- 人件費が安い
- 広告費が安い
プランが規格(あらかじめ決まっている)
ローコスト住宅が安い理由としては、プランが規格、つまり、あらかじめ決まっているというのが理由のひとつです。
プラン、つまり間取りの設計などですが、これらにも人件費や手間、外注費などのコストがかかっています。これらのコストを削ることで、効率化して、コストダウンをはかっています。
材料費(建材、設備、仕様)が安い
ローコスト住宅では仕入れを大量にします。そのため、材料費を安くすることができます。
キッチンやユニットバスなども大量に購入することで、仕入れ値を安く抑えることができるのです。
さらにキッチンやユニットバスなどの設備をハイグレードのものを使うのではなく、グレードを抑えて一般的な普及タイプのものを使います。
そのうえ、断熱材や床材、壁紙なども含めて全体的な材料費を安くすることが、ローコスト住宅が安いひとつめの理由です。
人件費が安い
次の理由は人件費を抑えられることです。
間取りや図面をあらかじめ決まっているものにして、わかりやすく効率化しているため、大工さん含めて各工種の手間を極力省くことができ、作業時間や現場に入る人数を抑えることができます。
広告費が安い
大手ハウスメーカーが有名タレントを起用して、テレビでコマーシャルを放映するのに何千万円もかかることは有名です。
しかし、ローコスト住宅の場合は、そのような大々的なコマーシャルを打ってしまうと、その広告費がおのずと建築費に上乗せされてしまいますので、正直なところ、高い費用のかかるコマーシャルが打てないのです。広告を出すとしても地元のテレビ局やフリーペーパーなど、なるべく広告コストをかけないようにすることで、広告費を抑えています。
ローコスト住宅のメリット
ローコスト住宅のメリットをまとめます。
建築費用が安い
ローコスト住宅のメリットは唯一、建築費用を抑えて夢のマイホームを建てられるということでしょう。
マイホームは欲しいけれど、子どもの教育資金がかかるのでなるべく費用を抑えたいというご夫婦や、マイホーム以外にも楽しみを持ちたいという方にもローコスト住宅はオススメです。
ローコスト住宅のデメリット
ローコスト住宅は、メリットよりデメリットの多さが目立つこともデメリットとなるのかもしれませんが、ローコスト住宅には大きく分けて5つのデメリットがあります。
見た目が微妙なことが多い(設備や仕様が安いので)
ハイグレードモデルのキッチンやユニットバスは、やはり高いなりの理由があります。
優れた機能が付属していることはもちろんなのですが、使われている材質がハイグレードなのです。そのため、普及タイプまたは、一番グレードの低いものを使っているローコスト住宅では、正直見た目が微妙なことが多く、高級感とは無縁といわざるを得ません。
また、外壁や屋根もなるべく安い物を使うことでコストをさげていますので、見た目のチープさが目立つのかもしれません。
間取り・プランが制限されることが多い
ローコスト住宅は注文住宅とはいえ、間取りや設備をいくつかのプランの中から選んで組み合わせます。
子ども部屋の数を増やしたい、書斎が欲しいといった自由に間取りを選びたい人には不自由に感じられるでしょう。
規格から外れると、オプションで高額に・・・
ローコスト住宅では、ある程度のプランから選んで組み合わせていきますが、たとえばキッチンではもう少しグレードの高いものを使いたいとなると、オプション価格が上乗せされて高額になります。
また、間取りの場合でも、窓の位置を変更したい、廊下の幅を広げたいと思っても、基本プランではないため追加費用がかかるのです。あれもこれもと変更や追加を繰り返すうちに、ローコスト住宅のはずが結果的に高くなってしまったということがよくあります。ローコスト住宅には規格があるのだと覚えておきましょう。
断熱性、耐久性、耐震性、遮音性が高いとはいえない・・・
ローコスト住宅であっても、建築基準法に則って建築されますので、基準を満たす安全な建物には違いありません。
しかし、建築基準法以上の性能を持つ高性能・高機能住宅と比較すると、断熱性や耐久性、耐震性、遮音性が高いとはいえないのです。
基本的にグレードは低い(だから安い)
ローコスト住宅は、基本的にすべてのグレードが低いと思っておいて間違いありません。だから安い。
木材、外壁、屋根、断熱材、キッチンやユニットバスに至るまでグレードを落とし、削れるところはすべて削っているのがローコスト住宅なのです。