ハウスメーカーとは?大手13社の特徴など解説!

ハウスメーカーとは、特徴や価格など解説

家を建てたいと考えたとき、ハウスメーカーで建てようか工務店で建てようかと悩みますよね。

工務店は家を建てたり修理をしたりする会社だとわかりますが、ではハウスメーカーとは何でしょうか。

考えれば考えるほどわからなくなってしまいます。

そこで今回はハウスメーカーとは何か、そのメリット・デメリットと、大手13社の特徴などを解説していきます。

目次

ハウスメーカーとは「全国展開の大規模住宅会社」のこと

そもそもハウスメーカーには正式な定義はありません

一般的に共通認識として持たれているのが、ハウスメーカーとは「全国展開の大規模住宅会社」という意味です。日本全国に支店網を持ち、総合住宅展示場などにモデルハウスをもっているような会社です。有名なところが多いです。

工務店のように完全な自由設計ではなく、ハウスメーカーごとに独自の規格をあらかじめ定めています。

そして、その規格に基づき建築資材を自社で生産できる設備を持っていますので、同じ規格の家を大量生産できるのです。

工務店の建てる家を、ていねいにひとつずつ手作りする「和菓子」だとすると、ハウスメーカーの家は、型で同じようなものが出来上がる「たい焼き」といったところでしょうか。

ハウスメーカーのメリット

ハウスメーカーは建築部材を工場で生産するため品質が均一で、施工する人によって違いが出るようなことがありません。

また、現場で施工しやすいように建築部材を工場で加工するため、工務店より工期が短いのもハウスメーカーのメリットといえるでしょう。

さらに、定期点検や無料の修理保証期間を長期間定めるなど、アフターフォローの面でも安心できます。

ハウスメーカーのデメリット

ハウスメーカーの家は「自由設計」とはいいつつ、やはり決められた規格の範囲内での変更に限られます。

間取りはある程度決められたパターンの中から選択し、お風呂やキッチンなどの内装材もハウスメーカーが定めた標準仕様の中から選ぶことになります。

アフターフォローが充実しているハウスメーカーは、規格で建てているからこそメンテナンス体制が整えられます。

規格外のものを導入すると、アフターフォローが均一にできなくなるためどうしてもプランに制約があるのです。

とはいえ、完全な自由設計の家でなくても「大手はやっぱり安心だ」とおっしゃる人が一定数います。

ひとつひとつ施主様の生活様式に合わせて、一から設計していく工務店との違いを比べて、ご自身が納得できる方を選ぶようにしたいですね。

軽量鉄骨などが構造のハウスメーカー

ではここからは、大手ハウスメーカーをご紹介しつつ、その特徴などをお伝えしていきましょう。まずは軽量鉄骨造のハウスメーカーを6社ご紹介します。

積水ハウス

積水ハウスはハウスメーカーの最大手のひとつで、積水化学工業から独立して作られた会社です。

太陽光発電で家中の電力をまかなうスマートハウスを始めるなど、省エネ住宅の分野でも最前線で住宅業界を牽引しています。

積水ハウスの軽量鉄骨の構法には2つあります。

1,2階建て構法の「ユニバーサルフレーム・システム」、3,4階建て構法の「フレキシブルβシステム」です。

これ以外にも木造住宅構法の「シャーウッド構法」も人気があるようです。

軽量鉄骨構法はいずれも高い耐震性と耐風性能など、安全性を確保しつつ、敷地対応力に優れた設計の自由度があるのが特徴です。

また、断熱性・気密性が高く、断熱等性能等級の最高ランクである「等級4」に対応するなど、夏は涼しく、冬は温かい家を実現しています。

セキスイハイム(積水化学工業)

「かえりた~い、かえりた~い、あったかハイムが待っている~」のCMでもおなじみのセキスイハイム。

「地球に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできるすまいの提供」を会社の理念とし、長年安心して住める家を作り続けています。

セキスイハイムの建築部材は、住宅をユニット単位に分割し、そのほとんどを工場で生産しています。

これまで現場で基礎作りからおこなっていた日本の家づくりの常識を逸脱する画期的な工法だとして注目を集め、現在でも進化を続けています。

通常、家づくりは4ヶ月ほどかかりますので、建築中に雨風にさらされることが多いものです。

しかし、セキスイハイムでは棟上げ(上棟)時には窓や玄関がすでに取り付けられているだけではなく、建築中に家の中に雨水が入らないようにする「雨仕舞い」まで完了させます。

家の中の環境にも配慮され、断熱性・気密性はもちろんのこと、空気環境にも配慮しています。

パナソニックホームズ

パナソニックホームズは、2018年4月にパナホームから社名を変更し新しく生まれ変わった会社です。

「強さ」と「暮らしやすさ」を大切にした住まいを提案しています。

ご存知の通り、パナソニックはそもそも家電メーカーですので、建築後の家電製品や太陽光発電システムといったオール電化住宅として、まるごとパナソニック製品で揃えられるのが大きな特徴といえるでしょう。

パナソニックホームの「強さ」は、独自の耐震技術「パワテック」で家全体が強固な耐震性を持つため、大地震や何度も続く余震にも強い家となっています。

「暮らしやすさ」は、室内の空気環境を良くすること、動線を考えた設計力にあります。

家族の要望をていねいにヒアリングするとともに、周辺の環境に応じて具体的な間取りとデザインに落とし込みます。パナソニックホームズの最大の特徴は提案力にあるといえるでしょう。

へーベルハウス

旭化成ホームズの建てる戸建住宅がヘーベルハウスです。

「ヘーベル」とは、旭化成ホームズが独自に作っている屋根や外壁、床の建材「軽量気泡コンクリート(ALC)」のことをいいます。

ALCは内部に無数の細かい気泡が含まれており、断熱性はコンクリートの10倍もあります。

このALCの内部に鉄筋を埋め込んでパネル化することで、耐火性、強度、遮音性、断熱性、調湿性などの性能が高く、60年以上の耐久性があると言われています。

そして、ヘーベルハウスの家は「ロングライフ住宅」を宣言しています。

住宅の価値を60年維持し、安心して住めるように30年目までは無料でメンテナンスをおこなっています。

大和ハウス

大和ハウスは、他のハウスメーカーに先駆けて軽量鉄骨のプレハブ住宅を作った会社です。

さらに鉄骨系の住宅では外張り断熱を実現した会社でもあります。

また、地震大国である日本において強固な耐震性が求められることから、主力商品「xevo(シーヴォ)」では、大和ハウス独自の耐震技術「DEAQT(ディークト)S」と制振技術の「DEAQT(ディークト)D」が標準装備されています。

大和ハウスは業界に先駆けて、いち早くシックハウス症候群の問題に取り組んできた会社でもあります。そのため、有害物質を削減した仕上げ材を適用するなど、すべての住宅で健康住宅仕様が採用されています。

トヨタホーム

「人生をごいっしょに」をブランドビジョンとしているトヨタホーム

いわずと知れたトヨタ自動車の住宅部門として立ち上げられましたが、現在は完全に独立しています。

とはいえ、自動車づくりで培った技術力を駆使して家づくりをおこなっており、工場生産率は驚異の85%にものぼります。

トヨタホームでは、鉄骨ラーメン構造を家づくりの基本としています。ラーメン構造の鉄骨ユニットは強靭な梁を連結部に補強することで最大35畳もの大空間を実現しています。

また、トヨタホーム独自の制振技術「T4システム」と組み合わせることで、大震災だけではなく、繰り返す余震にも耐える構造となっています。

トヨタホームは初期保証にプラスして延長保証を受けることができ、最長60年もの長い間定期的なメンテナンスを実現しています。

木造住宅のハウスメーカー

では、ここからは木造住宅のハウスメーカーを7社ご紹介していきましょう。

住友林業

創業320年を超え、木とともに歩んできた住友林業は、木造住宅では最大手のハウスメーカーです。

長年森林経営に携わり、木の魅力を知り尽くしている住友林業の家は、木の良さを最大限に生かした住宅を提供しています。

住友林業の構法は「マルチバランス構法」「ビッグフレーム構法」「ツーバイフォー構法」があり、敷地の条件などに合わせて施工しています。住友林業では、一級建築士の資格を持った設計士が業界でもっとも多く、住宅の設計力には定評があります。

マルチバランス構法は、日本伝統の木造軸組工法と住友林業独自の技術を組み合わせた構法です。

ビッグフレーム構法は、一般的な柱の5倍以上の太さがある大断面集成柱を使用し、大震災や繰り返す余震にも耐える構造となっています。

ツーバイフォー構法は、柱で支える木造軸組工法ではなく、壁や床、屋根をパネルで構成して建てられますが、あまり採用率は高くありません。

ミサワホーム

ミサワホームといえば「蔵のある家」が有名ですね。
ハウスメーカーでは唯一、グッドデザイン賞を26年も連続で受賞しているほど、デザイン性に優れています。

ミサワホームは、木質パネル工法をメインに施工していて、耐震性に優れた住宅を提供しています。木質パネルは9層構造、2重防水工法によってさらに耐久性を高めています。

また、ミサワホームの制振装置「MGEO」は一般的な2階建て住宅に採用され、地震などの衝撃から最大50%も軽減することができます。

阪神大震災クラスの地震でも構造体への損傷がないと報告されています。

三井ホーム

三井ホームはツーバイフォー工法による高い耐震性とデザイン力で人気があります。

三井ホームの木造壁構法「プレミアム・モノコック構法」は、震度7に連続60回も耐え抜いたという技術力があり、地震の揺れによる全壊・半壊は設立以来1棟もないといいます。

また、三井ホームでは、外部の建築士やインテリアコーディネーターによる設計力やデザイン力に高い評価を得ていますので、細部のデザインにこだわる人には魅力的なハウスメーカーでしょう。

さらに、ハウスダスト対策として高性能フィルター「スマートブリーズ」や、温度・湿度・空気をコントロールする全館空調システム「健康空調システム」を取り入れて、清潔な住まいを実現しています。

エス・バイ・エル

エス・バイ・エルは、1951年創業の歴史あるハウスメーカーです。

2011年にヤマダ電機によって子会社化され、ヤマダ・エスバイエルホームとなったあと、現在では株式会社ヤマダホームズへと社名変更しています。

エス・バイ・エルの最大の特徴は、社名にもなった「SxL構法」です。

従来の軸組工法では家を点で支えますが、エス・バイ・エル独自の木質接着パネルは、家を「箱」にしていく構法のため、建物全体が強固になりパネル全体で力を分散して剛性を発揮します。

また、木には湿度が大敵です。そのためエス・バイ・エルでは、壁体内の湿気を排出する「壁内換気システム」によって、構造体や断熱材の劣化を防いでいます。

スウェーデンハウス

スウェーデンハウスは、1984年に生まれたハウスメーカーです。

極寒冷地であるスウェーデンで快適に暮らせるための工夫がいたるところに施されています。特に高断熱高気密住宅として優秀で、木製サッシではトリプルガラスを取り入れていることでも有名です。

ドアやサッシが木製ですのでメンテナンスが必要になりますが、スウェーデンハウスでは、50年間の無料定期検診をおこなうなど、安心して暮らせるように工夫されています。

また、24時間換気システムが標準装備されていますので、外気の影響を受けにくく、カビやダニの繁殖を防ぐとともに、健康的な空間を生み出しています。

さらに、スウェーデンハウスは高い断熱性だけではなく、耐震性にも優れています。

「モノボックス構造」が、家を面で支え、阪神大震災の2倍の揺れでも倒れない、業界最高クラスの耐震性を実現しています。

オリコンがおこなったハウスメーカーの顧客満足度では2015年から3年連続1位になるなど、高い評価を受けているのもスウェーデンハウスの魅力ではないでしょうか。

タマホーム

タマホームはローコストメーカーの先駆けともいえるハウスメーカーです。

高品質住宅を低価格で提供するなど、家づくりのコストを減らそうというコンセプトで運営されています。最近ではビジュアル系の氷川きよしさんがCMされていることでも注目を集めていますね。

タマホームの工法は日本古来の木造軸組在来工法。国産木材の流通をシステム化することで中間マージンをカットし、木材の流通、品質管理、安定した木材の供給を一元化しています。さらに国内の林業を活性化し、森林資源の有効活用にも一役買っています。

タマホームでは、24時間換気システムを標準装備。常に新鮮な空気を部屋中に取り込むことが可能です。

また、気になる耐震性は、建築基準法で定めるレベルの地震が来ても1.5倍の力で耐え抜き倒壊しないといわれています。大地震を想定した実験をおこなうなど、安全性の確認はしっかりされています。

一条工務店

一条工務店は「家は、性能。」というコンセプトのもと、住宅性能の高さを売りにしているハウスメーカーです。

特に耐震性には力を入れており、理論上だけではなく、実際に実験を何度も繰り返しながらより安全な家を建てることに力を注いでいます。

一条工務店の特徴はその耐震性にありますが、住宅展示場を訪れた人の約90%以上が採用しているのが全館床暖房です。

一般的にはリビングやダイニング、キッチンに床暖房を入れることが多いのですが、一条工務店は冷えやすい廊下やトイレにも床暖房を施しています。温かいリビングから冷えた廊下へ出た際のヒートショックを防ぐことにもつながり健康的に暮らせます。

また、住宅展示場のモデルハウスでは、豪華な特別装備を施していますので、そのイメージで家を建てると、実際の家とのギャップを感じることがあります。

しかし一条工務店では、モデルハウスを標準仕様としていますので、ギャップを感じることがなく、後から高い設備を選んで価格が上がってしまうということがありません。

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