目次
神棚とは、神道の神様を祀るための棚
小さい頃から神棚が身近にある生活をしてきた、という方もいるでしょう。
あるいは自宅にはなくても会社や店などで見たことがあるという方もいるかもしれません。
神棚の意味を知ることで、神棚を設置する場所もおのずと理解できるようになります。
神棚とは、神道の神様を祀るための棚を意味します。
神道は多神教で、「八百万(やおよろず)の神」、身の回りのさまざまな物に神が宿っていると考えています。
神道の歴史は古いものの神棚の登場は江戸時代と言われ、この頃から庶民の間でも神道の慣習が定着するようになりました。
これには、神道の神様に対する考え方が反映されています。
神道では神様は常に存在しているわけではなく、人が祀ることで顕現するとされているのです。
この考えが、江戸時代のお伊勢参りの人気とともに広がり、お伊勢参りでいただいた伊勢神宮のおふだを祀るために神棚が広がっていったと言われています。
神棚は小さな神社のようなものです。
神棚を設置することで神様を祀り、家内安全や繁栄を願う意味があります。
神棚には設置に適した方角があります
神棚には設置に適した方角があります。
神棚は神様を祀るもの、神聖なものです。そのため、神棚を設置する場所や方角もよく考えなければなりません。
神棚は南向きか、東向きに
神棚を祀る際の方角(向き)は、南向き、もしくは東向きと言われています。
その理由としては、太陽が関係しています。
南は太陽が移動する方向で、太陽の光が最も入ってくる方角です。そのため「明るさ」の象徴とされています。
東もまた太陽が昇ってくる方角として「明るさ」や「勢い」を象徴しています。
そのため、この2つの方角が神棚を祀るのに適しているのです。
神棚の設置位置の方角
祀る際は部屋の北側もしくは西側から室内に向けて神棚を設置しましょう。
基本的には南、もしくは東の向きが望ましいのですが、さらに大吉の方角が存在します。それは、東南の方角です。続いて東南東が良いと言われています。
反対に、避けた方が良い方角もあるため、知っておきましょう。
それは、北と北東、南西です。
北という方角はあの世とこの世をつなぐ方角とされています。そのため、縁起が悪いと言われているのです。北東は鬼門と呼ばれています。鬼門は鬼が入ってくる方角です。
南西は北東の反対側に位置するため裏鬼門と呼ばれ、北東と合わせて不浄の場所とされています。
不浄の場所に神棚を祀ることは神様に対して失礼になってしまうため、避けた方が良いでしょう。
にぎやかな場所はNG?神棚を設置するのに適した場所と飾る際の注意点
神棚を設置する上で注意したいのは方角だけではありません。祀るに当たって知っておきたいポイントを押さえましょう。
水回りは不浄な場所とされるので、避けます
まず、汚れがつきやすい台所や浴室、トイレなどの水回りは不浄な場所とされるため、神棚を設置するにはふさわしくない場所です。
家の中で静かで清浄な明るい場所が望ましい
家の中でも静かで清浄な明るい場所を選びます。
静かな場所、という意味では人が激しく出入りするドアの上なども避けた方が良いでしょう。
人通りが激しく、神様が落ち着かないと言われています。
ただし、人が全く通らない場所では家族がお供えや拝礼がしにくくなるでしょう。
人が集まらないプライベート空間ではなく、リビングや客間など家族やお客様が集まりやすい場所に祀るのが望ましいです。
神棚の上を歩くのは失礼に当たります
神棚は神聖なもののため、神棚の上を歩くのは失礼に当たります。
そのため、2階建ての建物で1階に神棚を設置するのはためらわれますが、1階にリビングなど家族が集まる空間、神棚を祀るにふさわしい空間がある場合が多いでしょう。
上階はあるけれど1階に神棚を祀りたい、という場合は「雲」と書いた紙を天井に張り付けます。
そうすることで、神棚のある場所が一番上であると示せるのです。
紙を貼る際、神棚から見て文字が逆にならないように注意しましょう。
神棚の高さは高すぎず、低すぎず
神棚は高い場所に祀るものですが、高ければ良いというわけでもありません。
手が届かなくてお手入れがしにくいのでは清潔に保ちにくく、お供えも億劫になるでしょう。
手を伸ばして届くくらいの高さが適しています。