建築に使う木材について・木材の種類と木材の含水率

日本の住宅の大半は「木造住宅」です。
その木造住宅に使われる木材について、今回はお伝えしたいと思います。

目次

木材の種類

木材の種類(樹種)には大きく分けて2つあります。

  1. 軟木(なんぼく、やわき)・針葉樹
  2. 硬木(こうぼく)・広葉樹

軟木(なんぼく、やわき)・針葉樹

ひとつは「軟木(なんぼく、やわき)・針葉樹」です。
主に寒冷地から温帯にかけて生育している木です。

針葉樹が最も住宅によく使われる木材です。
日本で最も多く伐採できる木材が「杉」です。
杉花粉で有名になってしまっていますが、この杉材は針葉樹ですから、軟木になります。

また、杉以外にもヒノキ(桧)も針葉樹です。
柔らかく、加工もしやすく、価格も安いので普及しています

ちなみに「軟木」と書かれると、丈夫ではないように感じますが、「軟木」といえど十分な強度を持っています。ご安心ください。

硬木(こうぼく)・広葉樹

もうひとつが「硬木(こうぼく)・広葉樹」です。
造作や家具に使われます。

広葉樹はたしかに硬く、頑丈です。
ただ、その硬いがゆえに加工が難しく、扱いづらいものになっています。

木材の含水率について

木材は伐採直後のものを使うには数々の問題があります。
それは、木材が水分を多く含んでいるためです。

この点を見るうえで使われる指標が、含水率です。
含水率とは、細胞壁の重さに対する水の重さの比率のことです。
下記のような表記がされることが多いです。

含水率25%=D25
含水率20%=D20
含水率15%=D15
D=Dried

伐採後、乾燥工程を経ていない木材は「生材」「グリーン材」「生木(なまき)」「未乾燥材」などと呼ばれます

これらの含水率は樹種にもよりますが、40 – 300%以上になっています。

十分に乾燥されていない木材は重い上に、水分のために腐りやすく収縮・変形しやすく、強度も弱いという欠点があります

そのような木材をそのまま置いておくことで乾燥させた木材を「自然乾燥木材」「AD材」と呼びます。

対して、乾燥させる釜に入れて人工的に乾燥させた木材を「人工乾燥木材」「KD材」と呼びます。

ABOUTこの記事をかいた人

でんホーム株式会社 取締役・編集長。設計に口出し、現場を管理し、記事にも口出しする何でも屋さん。油山幼稚園→堤小→長尾中→福岡中央高→九州大学経済学部卒。2人の娘を持つ。【趣味】読書