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階段下はデッドスペースになりやすいのが問題
階段下は十分な高さの確保が難しい場合が多く、なかなか有効的な活用が難しい場所の一つです。
坪数があり、部屋数やそれぞれの空間に余裕を持たせることができるような広い邸宅であれば、階段下を利用する必要はないでしょう。ただし、狭小住宅の場合はなかなかそうはいきません。
できるだけデッドスペースをなくし、空間を上手に利用することが望まれます。
階段下を利用する方法としては、扉をつけて収納スペースにするのが一般的です。
もちろん、階段下を活用するには、階段の場所や形状にも条件があります。
例えば、階段の向こう側がオープンになっている「ストリップ階段」であれば、そもそもがふさがれていないため、利用することは難しいと言えます。利用するといっても、せいぜい窓をつけるなど換気や採光を目的としたものでしょう。
「らせん階段」も同様で、活用可能なスペース自体がありません。
ただし、「ストリップ階段」も「らせん階段」も魅力的な見た目を重視してオブジェという観点で設置することが多く、スペースの有効活用にはあまり向かない階段です。
階段下トイレは階段下を収納以外で活用する方法
そのままではデッドスペースになってしまう階段下を、収納だけではなくもっと便利にする方法としてトイレを作るという選択肢があります。
階段下にトイレを設けている住居はそれほど珍しくはありません。
階段は、家の間取りによってさまざまな場所に設置されますが、一般的な場所では玄関があります。玄関を開けてすぐ階段があり、そのまま2階に上がれる作りになっている住居は多く存在します。
また、1階のトイレの場所としてよく設計されるのは玄関付近です。
つまり、デッドスペースになりやすい階段下と、1階のトイレとして設計されやすい場所が合致していることになります。この2つの条件だけでも、階段下にトイレを設けることは自然であり、使い勝手にも特に問題はないと考えていいでしょう。
階段下トイレとは、機能面とデッドスペースの排除の両方を実現できる解決法のひとつです。
階段下トイレを作ることで得られるメリット
ここでは、階段の下にトイレを作ることでどんなメリットがあるのか解説していきます。
階段の下の無駄な空間を活用できる
まず一番大きなメリットは、階段の下にできてしまう無駄な空間を活用できることです。
階段を壁側に設置した場合、どうしても階段の分だけ凹凸ができます。階段の下は階段の幅の分だけ空間が空いてしまうことになり、せいぜい壁に絵などを飾るか窓を設けるといったことにしか使えないでしょう。
階段の幅は建築基準法によって決められており、一般的な住居の場合の有効幅は75cm以上です。
トイレを作るには1坪ほどあれば可能で、これは畳1枚分に相当します。トイレとして考えた場合の幅が75cmではやや狭いですが、使えないわけではありません。
「少し狭いな」ということでしたら、階段幅を90cmにすることで十分トイレの幅として利用可能です。本来は他の場所に設計するはずだったトイレを階段の下に作るわけですから、多少階段幅を広げたところで大きな空間のロスにはならないでしょう。むしろ、トイレを他の場所に作るより、広さにも余裕を持てる場合もあります。
階段の下にトイレを作ることで考えられるデメリット
次に、階段の下にトイレを作るとどんなデメリットがあるのか解説していきます。
狭い
階段下のトイレの問題点としてあげられることの多いのが、全体的な狭さです。
天井が低い場合も多く、狭く窮屈な印象を与えるかもしれません。ただし、これは階段の取り方や家全体の間取りにも左右されることで改善することは可能です。
また、タンクレストイレを使うことで、タンク付きトイレよりもスペースを使わないことから、広く使えます。
空間に広がりを感じやすい白など明るい色を壁や天井に使うのも有効的な方法です。
遊び心を持って階段下のトイレを楽しい空間に変える
狭小住宅にとって、空間をどう利用するかは重要な問題です。
特に、必要な部屋を取るための十分な広さがない場合には工夫することが求められます。
階段下トイレは、狭小住宅を上手にまとめるうえで有効な方法と言えるでしょう。もちろん、トイレとして利用するには、最低でも大人が立てるだけの天井の高さと、大人が入れるだけの間口は必要です。
この2点が解決できれば、あとは階段下の空間である特性を利用してユニークなトイレにするのもいいかもしれません。
階段下トイレを作る際、天井をふさぐのか、それとも階段の段差をそのまま活かすのかがまず課題になってきます。
好みにもよりますが、天井はふさがずにそのまま使う方が開放的です。
そして、この段差を活かしてしゃれな演出をしている事例はたくさんあります。隠れ家的なインテリアにするのも楽しいかもしれません。
階段下にトイレに設けることはそれだけ空間を上手に使っているということです。
人とは違うユニークで個性的なトイレを作ってみましょう