ロックウールとは?特徴やメリット・デメリットを解説!

ロックウールの製品

目次

ロックウールの特徴とは?

ロックウールとは繊維系断熱材に分類され、繊維同士の隙間に空気をとじこめて、熱が伝わりにくい性質を利用している断熱材です。その他の繊維系断熱材には、グラスウールセルロースファイバー羊毛断熱材があります。ロックウールは人造繊維で、鉱物から作られていることが特徴です。一般的には高炉から出た溶解スラグを原料にしており、「スラグウール」とも呼ばれます。

元々は「玄武岩」のような本物の岩(ロック)から作られ、その他にも数種の天然岩石を使われています。主成分は酸化カルシウムと二酸化ケイ素で、単繊維の直径は約3~10μmです。

ロックウールの製造方法

ロックウールは岩石やスラグを約1500℃~1600℃の電気炉で溶解しながら作ります

溶けた物質を遠心力で飛ばすと、空気中で繊維状に固まることが特徴です。成型する時には、フェノールホルムアルデヒドなどの添加物を入れます。

スラグが主原料の時は、繊維性を上げるために岩石を加えるのが一般的です。ロックウールは1938年頃から工業化され、さまざまな施設で利用されています。断熱材として利用するロックウールは、噴射するタイプと成型タイプがあり、ビニール袋に包まれた成型品を使うことが多いです。

ロックウールの安全性

ロックウールは、安全性が確保されている断熱材です。

労働安全衛生法に沿って「製品安全データシート」を発行しています。製品の取り扱いや性状について記載された文書が発行されているため、適切な使用や管理をすることが可能です。また、国際がん研究機関の報告によると、ロックウールは2001年に「発がん性なし」の区分に分類されました。

さらに、ロックウールの成型時にホルムアルデヒドを加えますが、常温の製品からは遊離されず建築基準を満たしています。ただし、高温で熱した時は微量の生成物が出る場合もあるため、取扱いには注意が必要です。

ロックウールのメリットとは?

ロックウール・ホームマット
ロックウールのメリットは、リサイクルができることです。

使用済みのロックウールでも、高い温度で溶解すると、新たに利用できます。形も変化させられるため、リサイクルとして回収できれば、次の用途に使えるでしょう。

積極的にリサイクルに出されていて、原材料の鉱山や環境保全にも繋がります。

また、耐火性が高いこともメリットです。法定不燃材になるため、火事になりづらく、火があっても拡大させないという特徴があります。ロックウールでできた断熱材自体が燃えにくく、火事の被害を縮小させられるのです。

ロックウールは保温性にも優れ、快適な温度を保ちやすくなります

耐水性があり、結露を防げるのもロックウールの特徴です。また、さまざまな形状に加工でき、使用用途に合わせてフェルト状やブランケット状・パイプ状・ベルト状などに変えられます。

さらに、ロックウールは鉱物系になるため、シロアリ被害が少ないこともメリットです。シロアリは木などの天然素材を好みますが、天然素材でも鉱物は好みません。よって、鉱物から作りだされたロックウールは、シロアリ被害が少ないのです。

ロックウールのデメリットとは?

ロックウールのデメリットは、グラスウールよりも値段が高いことです。

また、吸湿することで、著しく断熱性能が低下することもデメリットです。

ロックウールは耐水性がある素材ですが、水分を吸うと繊維の性状が変わってしまいます。つまり、ロックウールが露出した状態で利用するのは危険なのです。

さらに、ロックウールは重さがあり、脱落する場合があります。脱落した場合も隙間ができやすく、断熱性能が下がってしまうでしょう。施工者の技術力によっても、断熱性能に差が出ます。

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