- 「注文住宅の家づくりで調べていて『施主支給』という言葉を聞きました。お得そうです。詳しく知りたいです」
- 「施主支給したら、お得になるの?本当のところ、どうかな?」
この記事ではこのような疑問にお答えします。
目次
施主支給とは?
施主支給とは、新築やリフォームの際に必要となる住宅設備や部品などの発注や準備などを、施工会社の代わりに施主が行うことです。
通常であれば、施工会社が住宅設備の発注・手配から取り付けまでを行います。それに対して施主支給は、施主が照明やキッチン、設備機器などを直接購入し、施工会社に支給します。施工会社が行うのは、支給されたものを取り付けるだけです。
施主支給のメリット
施主支給にはいくつかのメリットがあります。
実はデメリットも大きくて、だからこそ、大手ハウスメーカーを含めて、施主支給を禁じている住宅会社も多いのですが・・・
具体的にはコスト・費用を安く抑えることが可能になる点と、住宅会社が用意できない製品を選ぶことができるという点です。
費用が安く抑えられる
施主支給のメリットは、費用を安く抑えられる点です。
施工会社を通して商品を購入する場合、物品の流れは「メーカーから商社→問屋→販売店→施工会社→施主」となります。
このように、商品が施主の手に届くまでには複数の業者を経ており、それぞれの業者に利益が発生しています。施主支給の場合は施工会社を通さずに販売店から直接購入するため、間に入る業者が1つ減り、中間利益をカットできるのです。また、費用も中古品・アウトレット品や既にあるものを再利用することでもコストダウンにつながります。
好きなものを選ぶことができる
施主支給のもう1つのメリットは、自分の好きな商品を自由に選べることです。
施工会社が用意した商品だけではなく、自分が思い描く部屋のイメージに合った商品を探せます。海外から取り寄せたこだわりの物を始め、部屋のアクセントになる照明器具、高級感溢れるこだわりの一品などが選べる自由度が魅力です。
また、前の家でずっと使っていたものを、新居でも使いたいという場合も施主支給になります。思い入れがあるものも新居で使用可能ですが、この場合は施工会社へ相談し、施工をお願いする場合があります。
施主支給のデメリット
施主支給にはかなりデメリットが存在します。ここでは施主支給のデメリットを解説します。
手間や労力が必要
施主支給のデメリットは、手配や配送などを自分で行うため、手間がかかる点です。
商品の選択から購入、発送手続きだけではなく、届いた商品に傷や不良などといった異常の有無の確認を自分で行わなければなりません。配送に関しても、スケジュールの調整や受け取り後のトラブルが発生した場合の対応もする必要がありるので労力がかかります。
また、保証やメンテナンスにも注意が必要です。例えば、施工会社が紹介した商品と同じ物を施主支給で安く購入できたとしても、施工会社を通して購入した場合は、保証やメンテナンスなどのサービスが受けられますが、施主支給で購入した場合はこのようなサービスは受けられません。もしトラブルが発生した場合も、自分で対応しなければならなりません。
施工会社への説明が必要
施主支給にはもう一つデメリットがあります。
それは、自分で購入する商品の規格を理解し、施工会社に対して商品の説明をすることです。
商品の規格や特性、仕様を理解せずに購入してしまうと、取り付けの際に寸法が合わなかったり、取り付けに対応していなかったりというリスクもあります。施工会社との連携を積極的にとり、対応可能かどうかの確認が必要です。
施工会社・住宅会社とトラブルになりがち
最大のデメリットは「施工会社・住宅会社とトラブルになりがち」だということです。
後述しますが、施主支給することで、施主支給した物品に欠陥があったり、物品そのものではなく、物品との接続した部分が問題になったり、仕事する日に物品が届いていなかったりというリスクがあります。そういうリスクがあるにもかかわらず、施工会社・住宅会社は利益を失うわけですから、一方的にリスクを負わされるかたちになります。
そういうわけで、施工会社・住宅会社とトラブルになりがちです。
施主支給の注意点は?
会社によっては、施主支給が断られる場合もあります。なぜなら施工会社にとってのメリットは少ないからです。
施主支給する場合、売り上げが少なくなるだけではなく、段取りが取りにくい上に、商品の規格や仕様を把握する必要があるため手間がかかるのです。他の工事の妨げにならない場合や、引き渡し後に施主自ら取り付け可能な物は施主支給が受けやすくなります。施主支給を検討するなら、事前に施工会社へ相談する必要があります。
施主支給に向いている物とは?
施主支給には、向いている物とそうでないものがあります。
配線や配管などは複雑な上に、トラブルが発生した際に原因の追求が難しいため、キッチンやユニットバスなどは向いていません。
施主支給に向いている物は、取り付けが簡単なものです。
手洗い鉢や照明器具、カーテン、家具などです。
これらは施主でも簡単に取り付けが可能で、工事の影響が少ないため断られることは少ないです。