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容積率とは?
土地や建物を探す際に「容積率」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
容積率とは建物の延床面積から算出されます。つまり、1階と2階がある場合、1階の面積と2階の面積の合計面積が延床面積です。土地に対してどのくらいの延床面積があるかの割合が容積率なのです。
住宅用土地としては容積率が80%、120%、150%といった感じに指定されていることが多いです。
容積率100%となると、建物の延床面積が土地の広さと同等になるように設計します。ここで容積率の計算方法について紹介します。
容積率の計算方法
容積率(%)=(延床面積/敷地面積)x100
容積率によって、その敷地・土地の上でどのくらいのボリュームの建物が建築できるのか、という制約を受けます。
150%だと、マンションなども建築できる規模感でいけますし、80%だと戸建て住宅になります。
また、延床面積には玄関やバルコニー、ベランダ、ロフトなどは含まれません。
容積率制限が設けられている理由
さて、なぜ容積率のような制限を設けることが必要なのでしょうか。
その理由は「都市計画のため」です。
容積率が高い地域は建物が大規模化します。大規模な建物ほど、延床面積が大きく、多くの人が住むことができます。
一方で、容積率が低い地域は建物が小規模化します。戸建住宅だと、1世帯くらいしか住むことができません。住宅密集地になったとしても、そこまで多くの世帯・人口が住むことができません。
ですから、都市計画上で「この地域は人口密集させて都市化しよう」というエリアは容積率を高めに設定します。
反対に都市計画上で「この地域は閑静な住宅街にしよう」というエリアは容積率を低めに設定します。
容積率だけではなく、建蔽率もですが。
容積率の決め方は?
容積率は市町村ごとの都市計画にて定められています。
しかし、そのまま適用されるわけではないのです。土地の周囲の道路の面積の幅によって、容積率が左右されます。
もし、前面の道路が12メートル未満の場合、以下の計算式にて容積率を求めます。
容積率=前面道路の幅x0.4(または0.6)x100%
道路の幅に「4/10(40%)」または「6/10(60%)」を掛けた数値が容積率の上限です。
ただし、上記の0.4という係数は、住居系用途地域の法定乗数で、住居系以外の場合は0.6となります。
つまり、前面の道路の幅が4メートルの場合、4×0.4×100で、その容積率は160%となるのです。この時には都市計画で定められた容積率が200%であった場合も、小さい方が優先されるため、その容積率は160%となってしまいます。
容積率によって建てられる家はどう変わる?
容積率の違いにより、建築できる家の大きさが変わってきます。
人によっては2世帯住宅を建てたいなど、広い家や3階建て住宅を建てたいと考えている人もいるかもしれません。そんな人は、容積率150%以上の土地を探すと良いでしょう。
世間での容積率の制限はどれくらい?
容積率は建物の用途や地域によって異なります。
例えば、「第一種低層住居専用地域」と指定されている地域では、50%、60%、80%、100%、150%、200%のいずれかが指定されています。幅広いと思われがちですが、地方自治体によって設定する割合が異なるので、複数の割合が指定されているのです。
正しく理解して最適の建物を建てよう
ご紹介したように、容積率の考え方はとてもシンプルです。
容積率制限は地方自治体によって都市計画に基づいて設定したものです。
地方自治体によって指定された容積率は、インターネットで検索することでチェック可能です。
この制限はどのように土地を活用するのが都市計画として望ましいかが吟味されて設定されています。
理想の建物を建てたいと考えている人は、建ぺい率や容積率により建てられる建物が変わってくるため、土地探しの時点で建ぺい率や容積率を意識しておくと良いでしょう。
また、容積率については、軒やひさし、バルコニーなどが建築面積に含まれないなど、建築上の問題で容積率が変わってくることもあるため、建築士や工務店などに相談に乗ってもらうと良いでしょう。可能であれば、土地探しの段階で、建築士や工務店、ハウスメーカーの力を借りるのがベストです。