- 「地鎮祭って、聞いたことはあるけど、何かな?」
- 「地鎮祭をやることになりそうだけど、何が必要で、どんな準備がいるのかな?」
- 「地鎮祭って、どんなことがあるのかな?流れとか、費用とか、時間とか?」
一戸建て住宅を新築する方にとって、地鎮祭という儀式は人生でも初めての経験です。
なかには親御さんの自宅建築経験があって2度目という方も、自分自身で2度目という方もいらっしゃるかと思います。
ただ、一般的に新築住宅を建てるのは一生に一度くらい。
ですから、大半の方にとって地鎮祭というのは人生初の経験になります。
今回は「地鎮祭」という儀式を深く詳しくみていきたいと思います。
目次
地鎮祭とは?そもそもどういう儀式か?目的は何か?
地鎮祭(じちんさい)とは、住宅建築の新築工事を始める前に、その土地の神様(氏神)を鎮め、挨拶し、土地を利用させてもらうことの許しを得る儀式です。
わかりやすく言えば、地鎮祭とは新築住宅工事の前に行う、神様へのご挨拶の儀式という意味です。
地域や信仰によって異なりますが、一般的には神式で行われます。
神社から神主さんに来ていただいて、儀式を行います。
仏式での地鎮祭を経験したこともあります。
宗教的に地鎮祭を行わないこともあります。
建主様、ご家族様によって、ケースバイケースです。
地鎮祭をしないケースもあります
現在では、地鎮祭をしないケースもあります。
前述の通り、宗教的に地鎮祭を行わないケースもあります。
また、ご家族様の関係で地鎮祭を行わないケースもあります。
また、都市部では地鎮祭を行わない傾向もあるようです。
日程調整や費用の観点から、地鎮祭を行わないケースもあるようです。
基本的には、建主様の自由判断になります。
地鎮祭をするしないはご自分の判断次第になります。
ですから、地鎮祭をしないケースもあります。
地鎮祭の準備、日程調整・日取りはどうか?
地鎮祭をすると決めたら、まずは日程調整です。
建主様、神主さん、工務店・住宅会社の3者のスケジュールが合う日程調整が必要です。
加えて、日取りを検討しますと、なかなか難しいことではあります。
「大安」のような吉日を希望される場合は、ピンポイントで日程調整する必要があります。
こういう日取りも、どこまでこだわられるかは、建主様次第です。
地鎮祭、どこの神社の神主さんに依頼するべき?
いざ、地鎮祭ということで、準備を始めた場合。
「じゃあ、地鎮祭はどこの神社に依頼したらいいの?」
と思われるかと思います。
一般的なお話をさせていただくと、地元の神社になります。
その土地・エリアを管轄している神社です。
ただ、僕が個人的に神主さん方にヒアリングしたところ、神社業界にも色々ありまして、すべてがスムーズにいくとはかぎらないのが実情です。
まず、住宅建築予定の土地がどこにあるのかが問題になります。
その土地を管轄している地元の神社がそれなりの規模で、神主さんが常駐していれば問題ないでしょう。
ただ、現在は神社の数に対して、神主さんの数が大いに不足しているそうです。
つまり、地元の神社はあっても、数が多すぎて神主さんが常駐していないという実態があるわけです。
そうなりますと、神主さんが複数の神社を掛け持ちで担当されることになります。
たとえば、夏祭りの時期は大いに大変なことになるそうです。
そういうこともありまして、神社業界の現状も踏まえまして、必ずしも地元の神社ではなくて、少し離れているけれども、それなりの規模の神社で神主さんが複数名いらっしゃるところから、地鎮祭のときにお越しいただくという選択肢を選ばれるケースもあります。
地鎮祭の費用は?
地鎮祭にかかる費用としては、基本的には神主さんへのお礼である玉串料(初穂料)となります。
当日、のし袋に現金を入れて、神主さんに直接手渡ししてお礼していただきます。
相場としては一般的には3-5万円といったところでしょうか。
ここは不安に感じられると思いますので、建築予定の工務店・住宅会社ないしは神主さんにお聞きになるのがよろしいかと思います。
ちなみに、工事関係者へのお礼は必要ありません。
地鎮祭前の準備は?
「いざ、地鎮祭だ」
ということになりまして、どのような準備がいるでしょうか?
現代では、大体の準備は神主さんと工務店・住宅会社がしてくれますから、ご安心ください。玉串料以外は特に準備することはないと思います。
ただ、ご依頼する神社によっては、必要な準備する品が出てくる場合もあります。
ですが、その場合でも、事前連絡あります。
事前に「〇〇を準備してください」といったかたちで、準備するものを連絡いただけるかと思います。
それに合わせて動けば問題ないですから、ご安心ください。
地鎮祭の服装は?
地鎮祭の服装マナーについては、特に問題になることはないです。
これまでの経験上はみなさん落ち着いた服装であることが多いです。
あまりに場違いな服装にはなかなかならないと思います。
地鎮祭の流れとは?
まず、日程調整した日時に到着されましたら、神主さんが準備されているか、準備が完了しているかという状態です。
その土地に四隅に青竹を立て、その間を注連縄で囲って祭場とします。
注連縄(しめなわ)は結界です。
神域と現世を隔てる結界の役割だそうです。
祭壇には海の幸、山の幸をお供えします。
中央に神籬(ひもろぎ、大榊に御幣・木綿を付けた物で、これに神を呼ぶ)を立て、酒・水・米・塩・野菜・魚等の供え物を供えます。
そこまでが準備になります。
実際の地鎮祭の流れとしましては、建主様、神主さん、工務店・住宅会社がそろいましてスタートします。
1.開式の辞
地鎮祭の開始のご挨拶。
2.修跋の儀(しゅばつのぎ)
儀式のスタートに先立ち、参列者・お供え物を祓い清める儀式です。
3.降神の儀(こうしんのぎ)
祭壇に立てた神籬に、その土地の神・地域の氏神を迎える儀式。
神主さんが「おおぉーーー」と声を発して(「警蹕(けいひつ)」と言う)降臨を告げます。
4.献饌 (けんせん)
神に祭壇のお供え物を食していただく儀式。
酒と水の蓋を取ります。
5.祝詞奏上(のりとそうじょう)
その土地に建物を建てることを神に告げ、以後の工事の安全を祈る旨の祝詞を奏上します。
6.四方祓(しほうはらい)
土地の四隅をお祓いをし、清めます。
切麻(きりぬさ)・散米(さんまい)とも言います。
7.地鎮の儀(じちんのぎ)
斎鎌(いみかま)を使った刈初(かりそめ)、斎鋤(いみすき)を使った穿初(うがちぞめ)、斎鍬(いみくわ)を使った鍬入(くわいれ)等が行われます。
8.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神前に玉串を奉り拝礼します。
玉串とは、榊等に紙垂を付けたものです。
9.撤饌(てっせん)
お酒と水の器の蓋をして、神様へのお供え物をお下げします。
10.昇神の儀(しょうじんのぎ)
神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式。
神様にお帰りいただきます。
再度、神主さんが「おおぉーーー」と声を発します。
11.閉式の辞(へいしきのじ)
地鎮祭が終了します。
12.神酒拝戴(しんしゅはいたい)
土器(かわらけ)の杯にお神酒を注ぎ、神主さんの合図で乾杯を行います。
以上が地鎮祭の全体の流れになります。
地鎮祭にかかる所要時間はどのくらい?
地鎮祭は儀式自体は20分-30分程度。
祭壇の撤収がありますから、合計で1時間程度になります。
まとめ
ここまでいろいろとお話してきましたが、実際に地鎮祭をする上で必ずしも知っておかなければならないわけではないです。
別に知らなくても、工務店・住宅会社の方や神主さんが教えてくれます。
取り仕切ってくれますので、ご安心ください。
あとは最後に記念撮影をするケースが多いです。
以上が地鎮祭の全体像になります。
これから地鎮祭をする方、知っておきたい方にとって、少しでも参考になりましたら、幸いです。
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