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立面図とは?立面図の基礎知識
立面図とは建物の外観を示すために作成される図面のことです。
注文住宅の場合、外観にこだわって建てることも多いだけにとくに重要な意味を持つ図面といってもよいでしょう。
新築だと「建ててみないとわからない」部分もありますから、あらかじめ立面図をチェックしておくことでどんな家になるのか事前にできるだけ正確に把握できるようになります。
通常、立面図では東西南北から見た外観が表現されます。
真四角でどの方角から見ても同じ建物は滅多にありませんから、複数の視点からの図面が必要になるわけです。
実例で例えれば北向きに窓を多くして開放的な空間にすると冬に風が入り込んで寒くなる、逆に南側を窓やバルコニーなどを設けると日当たりのよさを最大限に活かすことができるといった確認ができます。
敷地の都合やデザイン住宅などで建物が少し変わった形状になる場合にはとくに立面図での確認が欠かせなくなります。
さらに建物全体のバランスや屋根の勾配、軒の状態なども確認できます。
軒がどれだけ建物から飛び出しているのか、屋根の勾配はどうなっているのか、建物の高さと幅のバランスはよいかなど。
デザイン面から見たバランスのよさだけでなく、機能面でのバランスも考慮したうえでチェックができるのです。
たとえば軒の出は雨が降ったときの環境に大きく影響しますし、積雪が多いエリアでは屋根の勾配が非常に重要なポイントになってきます。
なお、通常では建物の100分の1のサイズで作成されます。
玄関、窓、屋根といったパーツを確認できます
この立面図のポイントとしては玄関や窓、屋根といった個々のパーツの組み合わせを確認することができる点です。
バルコニーやおしゃれな玄関、解放感のある窓などこだわりのパーツを取り入れることも多い注文住宅ですが、個々のパーツは魅力的でもそれらをひとつの建物の中に取り入れられると全体のバランスが不自然になってしまうケースも意外に多いものです。
よほど建築に詳しい人でもない限り頭の中で建物の全体像をイメージしながら個々のパーツを決めていくのは難しいですから、実際に図で描きおこした立面図で確認しておくわけです。
確認していく過程で「このバルコニーはちょっと外から目立ちすぎるんじゃないか」「窓が開放的過ぎてプライバシーの問題が出てくるんじゃないか」といった細かい点に気づかされることもよくあります。
窓や玄関ドアのデザインが建物全体のイメージとフィットしているかどうかなど、頭の中で完成図をイメージしつつ全体の整合性を確認し、理想に合った建物になるかどうかを確認し必要なら微調整をすることになります。”
平面図と併用することで建物全体の立地環境をイメージする
平面図と併用することで建物全体の立地環境を具体的にイメージしやすくなります。
立面図で外観を確認しつつ、平面図で窓や玄関のバルコニーの位置を上からの視点で確認することで玄関と道路との位置関係、窓やバルコニーと隣の住宅との位置関係をチェックした上で建物の外観が適切かどうかを判断できるからです。
いくら開放的でオシャレなバルコニーでも隣の住宅の真向かいに配置したのではその魅力を十分にいかすことはできませんから、平面図で周辺環境との関係も把握したうえで立面図で確認したデザインやバランスを最終的にチェックすることも必要なわけです。
こうした平面図との関係も立面図の役割の一環として覚えておくとよいでしょう。