ヒートショックとは?詳しく解説!

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ヒートショックとは急激な温度変化で健康によくない影響のこと

ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動をはじめ、急激な温度変化によって身体に起こる影響のことを指す言葉です。

暖かい部屋から寒い脱衣所に行き、すぐに熱い湯船に入ることで、血圧が40以上も乱高下する可能性が少なくありません。

血圧だけではなく、脈拍も大きく変動することによって、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞をはじめとした心臓や血管の深刻な病気を引き起こす一因となります。

とくに普段から高血圧や不整脈をわずらっている人が影響を受けやすく、亡くなってしまう人もいることから注意が必要です。

ヒートショックで亡くなる方は年間2万人弱

ヒートショックの影響によって亡くなる人の数は年間約2万人弱といわれており、部屋の移動や入浴時の温度差を見直すべきといわれています。

とくに12月から2月の間に発生することが多く、冬の入浴時に最も多いのが特徴です。

浴室だけではなく、トイレや寒い場所での寝起き、エアコンの効いた室内から外出することや、屋外からエアコンが効いている室内に入る時などに起こりやすいといわれています。

とくにトイレで用を足すとき、いきむと血圧が乱高下する可能性が高いです。

また、冬だけではなく仕事の都合上、真夏に冷蔵庫や冷凍庫などで作業する場合に起こることもあります。

ヒートショックの影響を受けやすい人

ヒートショックの影響を受けやすい人として、65歳以上の高齢者が最も多いといわれています。

とくに75歳以上は過去10年間で約2倍に増加しました。

血圧の変化が起こりやすく、ヒートショックの影響で失神を起こし、突然死する人も少なくありません。

年齢とともに心臓から全身に血液を送る動脈が固くなってしまうため、普段健康診断で動脈硬化と診断されていなくてもヒートショックの影響を受けやすくなります。

なお、高齢者が部屋の中で亡くなる原因の四分の一という高い数値を示しており、十分な注意が必要です。

高齢者以外にも、普段から高血圧や糖尿病、不整脈をはじめ、コレステロール値が高く、脂質異常症など成人病の持病のある人もヒートショックになりやすいといわれています。

とくに持病のある働き盛りの中高年男性が、会社から帰宅して入浴中にヒートショックの影響を受ける割合は少なくありません。若いからと過信している人もいますが、若年層でも持病のある人の場合は注意が必要です。

また、アルコールを飲んだ後に入浴する習慣のある人も影響を受ける可能性が高いといいます。

アルコールは血液の流れを早くする作用があるため、血圧の乱高下を起こすヒートショックの影響が現れやすいです。とくに晩酌後に入浴する人は、影響を受けやすくなります。

ヒートショックを避けるための対策方法

冬の屋内での温度差を3度から5度にすると、ヒートショックが起こりにくいといいます。

国交省では廊下とトイレの温度差が3度、暖房の効いた部屋と効いていない部屋の温度差を5度以内にすることを勧めています。

対策として浴室や脱衣所を暖かくしておくことが有名です。

浴室暖房乾燥機を付けたり、脱衣所にヒーターを設置して温度差を少なくすることができます。

設置が難しい場合、浴槽にお湯を張るときにシャワーでお湯を張ると浴室全体を温める効果が高いです。

湯船の蓋を開けておくのも浴室全体が暖まるでしょう。

浴室の暖まっていない一番風呂は危険なので高齢者に勧めない、血圧が下がりにくい夕食前に入浴することもヒートショック対策につながります。

浴室以外では、起きる時や寝るときにエアコンのタイマーを使って、温度差を低くすることも必要です。

立ち上がるときは急に立ち上がらず、ゆっくり立ち上がるようにすると血圧の急上昇を防げます。トイレにヒーターを設置するのもいいでしょう。理想はエアコンで屋内全体を一定に保つことができれば問題ありません。

高気密高断熱の住宅であれば、全体的に熱を逃がさず、温度差の低い環境を作り出すことができます。

断熱性の高い家づくりを行うことによって、光熱費の削減だけではなく、ヒートショックへの対策も万全です。

家全体が高断熱化されるため、暖房の効いた部屋と効いていない部屋の温度差が少なくなります。

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