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布基礎とは?その特徴
注文住宅の家づくりをする場合、基礎が大事になります。
基礎とは家の土台のことであり、負荷がかかった際にその力を地面に逃がしてくれる役割を果たします。
そのため、基礎がしっかりしていないと数十年という時間の経過に住宅が耐え切れず、人が住めなくなってしまう可能性があります。
それだけ重要な基礎ですが、基礎と一口に言ってもベタ基礎や布基礎があります。
ベタ基礎とは住宅を支える部分全てに鉄筋コンクリートを流し込む工法で、注文住宅の多くがベタ基礎でつくられていると言われますが、面で重さを支える分強固な地盤が求められます。
一方で、布基礎とは強固にしたい住宅の箇所、例えば壁の下や柱の下などに鉄筋コンクリートを流し込む工法のことです。
その名称から基礎に布が使われているのではないか、と勘違いをしてしまう人もいるかもしれませんが、布のように細長い基礎を使用することからこの名称がつけられたという説があります。
布基礎は基礎梁とフーチングという部分から構成されます。
フーチングは底版とも言われこの部分を広くすることで住宅の沈下を防ぐことができ、壁とも呼ばれる基礎梁は人々が日常生活を送る際に生じる力を受け取る役割を果たします。
面で住宅を支えるベタ基礎に比べると沈下に対抗する力は劣りますが、ベタ基礎以上に壁が支える力が強いのが特徴です。布基礎では設計上、どうしても土が露出してしまいますので防湿コンクリートなどで覆う必要があります。
コンクリートと言っても鉄筋が入っていない薄いものを使わざるを得ないため、強度に欠けてしまう場合がありますので注意が必要です。注文住宅をつくる際には、こういった特徴をしっかり把握することが大切なのです。
布基礎のメリット
では、布基礎のメリットはどのようなものでしょうか?
価格が安い・コストがあまりかからない
まず、布基礎のメリットとしてはコストがあまりかからないことが挙げられます。
上述の通り、ベタ基礎は住宅を支える部分に鉄筋コンクリートを流し込む必要があるのに対し、布基礎は柱の下など必要な部分だけに流し込むという工法です。そのため、使用する鉄筋コンクリートの量も少なくて済みます。
純粋に価格が安いわけです。
縦にかかる負荷に強い
また、布基礎はベタ基礎よりも、縦にかかる負荷に強いという点もメリットです。
布基礎は逆T字型で縦長になっているため縦にかかる負荷により強いのです。さらに、使用されているコンクリートの量が多くはないため基礎そのものが軽く、地盤に与える影響が少ないというのもメリットです。
布基礎のデメリット
布基礎には、このようなメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。
シロアリやムカデなどの害虫が住宅内に侵入してしまう危険性
まず挙げられるのは、シロアリやムカデなどの害虫が住宅内に侵入してしまう危険性があることです。
シロアリが侵入し柱を損傷されるようなことがあれば、数十年耐久出来るはずの住宅がわずか数年で倒壊してしまう可能性もあるのです。そのため、防湿シートや防湿コンクリートで地盤の表面を覆い害虫対策の薬剤を散布する必要があります。
最も、このような対策を行っても害虫が侵入してしまうかもしれませんので定期的に害虫駆除を行うのが良いです。
そういう面では、余計な費用がかかってしまうというデメリットもあります。
湿気が入りやすい
また、布基礎の場合、湿気が入りやすいです。
布基礎では限られた部分しか鉄筋コンクリートで覆わないため、コンクリートが使われていない部分から湿気が発生し住宅を劣化させてしまうのです。
湿気が地中から発生するのを抑えるために、防湿シート等で対応をすることや、通気口から空気を循環させることでも対応ができます。
湿気が溜まりやすい環境にはシロアリも繁殖してしまいますので、湿気対策はシロアリ対策にもつながるのです。