目次
輸入住宅とは?その特徴
輸入住宅とは海外の設計思想を用いたもので、パッケージや資材を輸入してから国内で建築する住宅を指します。
海外では、インテリアや外観のデザインを重要視する傾向が高いです。
また、間取りやバリアフリー、断熱性や耐震性もしっかり考慮した設計をしています。
日本で輸入住宅を建てる場合、輸入資材を使うことになります。
ただし、海外のように靴を履いたままで過ごす、和室は作らないなどの決まりはありません。よって、輸入住宅であっても、日本らしい和室や玄関で靴を脱ぐ設計にすることが可能です。
輸入住宅のデザインとは?
日本で建てられている輸入住宅では、北米スタイルもしくはヨーロッパスタイルを採用していることが多いです。
北米スタイルの一つが「アーリー・アメリカンスタイル」と呼ばれ、シンプルでアンティーク感が残るスタイルになっています。三角形の屋根や玄関ポーチが特徴です。
ヨーロッパスタイルでは南仏(南フランス、プロヴァンス風)やフィンランド、スウェーデンといったところを参考にしている住宅が多いです。
無垢材を使って風合いを持たせ、素材感を出していることが特徴です。
ヨーロッパスタイルには、白を基調にした「フレンチスタイル」、イタリアの荘園邸宅を参考にした「イタリアネート」などもあります。
輸入住宅の魅力
輸入住宅の魅力は、広々とした間取りで設計していることです。
日本の設計モジュールは尺貫法という日本独特のモジュールで910mmが基本になります。輸入住宅の場合はメーターモジュールと言って、1mが基本になることが多いです。北米スタイルではヤード法ということで、1ヤード=0.9144m、4フィート1,220mmが基本寸法になることが多いです。
つまり、基本寸法が大きく、ゆったりとした間取りになるのです。設計モジュールが変わると、廊下の広さも変わります。よって、日本で多い木造住宅よりも廊下は広々としているでしょう。
北欧系の輸入住宅は高気密高断熱住宅が多い
輸入住宅は断熱性や気密性などの機能にこだわって設計しています。
特に、北欧スタイルなど寒い地域を参考にしている場合、高気密高断熱住宅であることが多いです。
例えば、柱の外に断熱材を張る「外断熱」、柱の内側にも張る「内断熱」の両方を併用し、高気密で高断熱の住宅を建てています。
その他にも、トリプルガラスの木製サッシなど、日本ではあまり使われない建材を使うことも多いです。
輸入住宅で用いることが多い工法
輸入住宅を建てる際の工法では、「2×4工法」「パネル工法」「ポスト&ビーム工法」を用いていることが多いです。
2×4工法では、合板とツーバイフォー材という規格材を組み合わせてパネルを作っています。そのパネルを6面使い、箱のように組み立てていくのです。北米系で多い方法で、職人の技術に左右されない安定性があります。
パネル工法は、北欧系で多い方法です。基本構造は2×4工法と似ていますが、先に工場でパネルを組み立ててから現場に持ってきます。輸入住宅のパネル工法では、組み立てられたパネル自体を海外から輸入することが多いです。
ポスト&ビーム工法は、主にログハウスを立てる時に用います。ポストを指す柱、ビームを指す梁は丸太を組み合わせていることが特徴です。丸太で軸をしっかりと組むため、2階建てのログハウスを建てることもできます。
輸入住宅のメンテナンス
輸入住宅のメンテナンスは、通常の日本で設計した時と同じようにハウスメーカーに依頼できます。
輸入住宅を扱うメーカーで建てた場合は、必要な資材などは揃えているでしょう。
おおがかりなリフォームをする場合は、資材を輸入するため時間がかかることもあります。
輸入住宅の施工法は日本でも取り扱っているため、修理やリフォームが困難なことはありません。輸入住宅を扱うハウスメーカーを通している場合は、日本の法律に基づいた保証制度なども利用できます。