切妻屋根とは?メリット・デメリットを解説します

 

切妻屋根とは

“切妻屋根とは、街中で最もよく目にするおなじみの三角屋根のことです。屋根の最も高い部分(最頂部)の棟から地上に向かって開いた本を伏せたような形をしています。屋根の勾配は家によって様々で、緩やかな傾斜のものもあれば、急勾配のものもあります。とてもシンプルな造りなので、部位名称も平部(屋根面、屋根平面部)・棟(屋根の面と面が付き合わさった部分)・破風(屋根の妻側の端にある、建物の耐風性を高める部分)・ケラバ(破風と屋根面の角部分)・鼻隠し(屋根の先端部分にある雨水がまとまって流れる部分)の5種類しかありません。

切妻屋根の「妻」とは配偶者の意味もありますが端という意味もあります。着物の褄や刺身のつまと同源です。一説によりますと昔、奥さんは建物の端にいることが多かったことから、建物の屋根の棟の直角にあたる壁を「妻」と呼んでいました。その「妻」の部分が屋根で切られているので「切妻」と呼ばれるようになったようです。”

切妻屋根のメリット

構造がシンプルであること

“切妻屋根のメリットは、構造がシンプルであることです。シンプルであると様々なメリットがあります。まず、メンテナンスがしやすいことです。構造がシンプルですと雨漏りなどのトラブルが起こりづらく、たとえ起こったとしても原因を突き止めやすいです。次に、これもメンテナンスのしやすさに関わることですが、屋根の建築時や塗装・修理においてコストが低く抑えられることです。足場の組立や施工がしやすいのでメンテナンス費用や工事価格が低くなり、職人さんの人件費においても他の屋根と比べて有利です。さらに工期も比較的短くすむというメリットもあります。また、シンプルでベーシックなデザインなので和風や洋風などどんな家のスタイルにも調和します。

切妻屋根は換気のしやすさ

それ以外にも、切妻屋根は換気のしやすさに特徴があります。屋根と天井裏の間にスペースを広く確保できるので、換気性が良くなり湿気などによる建物の劣化を防ぐことができます。また、切妻屋根によって外壁の2面が屋根の上部まで伸びていますので、壁の上の部分に開口を設けたりあるいは屋根の棟を利用した換気をして暖かい空気が上へ昇る性質を利用した換気を効率に行うことができ、家全体に風が通り抜けるような換気のしやすい住まいとなります。さらに、その三角の屋根の形状から、ソーラーパネルが設置しやすかったり、雪が落下する場所が予測できるので事故を未然に防ぐことができたりします。

 

切妻屋根のデメリット

壁の上部が三角に切り取られる側を「妻」と呼びますが、この妻の部分の壁面に太陽光・雨・風・紫外線が当たりやすいのが切妻屋根のデメリットです。外壁や破風板などが太陽光や雨などのダメージを受けることで他の箇所より劣化が早くなり、放っておくと壁面からの雨漏りのリスクが高まってしまいます。それを防ぐためには定期的なメンテナンスが必要です。外壁の劣化を防ぐための方策として、近年ではデザイン性のある窓を取り付けるなど外観の美しさと劣化対策を両立させる家も増えてきています。

また、切妻屋根はそのシンプルさから「安っぽく見える」「ダサい」という意見があったり、最も一般的な屋根の形状ですので他の家と同じような外観になってしまったりすることを懸念する声もあるようです。しかし、屋根の本来の役割は台風や地震などの自然災害から住まいを守ることだったり、住まいの温度調節をすることだったり、雨音などの騒音を遮断したりすることです。デザイン性にこだわってその機能を失い、建物の劣化や腐食が起こって安心して住むことができなくなるということがないように、長く暮らすということを念頭に、外観だけではなく風土にあった機能を持った屋根を選びましょう。