目次
混合栓とは
シングルレバー混合栓を説明する前に混合栓とは何かについて説明します。
混合栓に対して単水栓というものもあります。単水栓は通常の水道の蛇口の事です。水道管に繋がった蛇口のハンドルを回すと水が出てきます。入り口が1つに出口が1つ、それが単水栓です。
では混合栓はどうでしょうか。
混合栓は混合水栓ともいい、通常は入り口側には、給湯器に繋がった給湯管と水が出てくる給水管が繋がっており、混合栓で合流して吐水口から出てくる水栓金具です。
入り口が2つに出口が1つで、湯と水を混合し好みの温度にして調節して吐水させるので混合栓といわれます。一般家庭ではお風呂場やキッチンの流し台、洗面台など、お湯を使う場所で広く用いられています。
シングルレバー混合栓とは
シングルレバー混合栓とは、混合栓のうちお湯や水の量を調節するハンドルがなく、その代りシングルレバーで一つで混合比率を変えることが出来る混合栓です。
シングルレバー混合栓の特徴は三次元の操作。シングルレバー混合栓はレバーの左右の動きでお湯と水の混合比率を調節して好みの温度にします。
さらに、ハンドルを上下する事により、上げると吐水、下げると停水という風に水量の調節も一つのレバーで操作可能にしています。
ハンドル式の混合栓は二つのハンドルそれぞれで水量と混合比率を調節していたものが、シングルレバーの上下左右の三次元の動きで温度の調節と水量を簡単に操作ができる優れものなのです。
シングルレバー混合栓の上げ下げと吐水・停水の仕組みは阪神大震災で変わった
95年の阪神大震災までに作られたシングルレバーの水栓はハンドルを下げれば吐水、上げれば停水となっていました。
震災の時、上から物が落ちてきたりして、シングルハンドルに当たり下がってしまって水が出っ放しになったことが多くあったため、それ以後に作られたシングルレバー水栓は全て上げれば吐水、下げれば停水になっています。なお、混合栓だけではなくシングルレバー単水栓もあります。
シングルレバー混合栓、どこに使うの?
シングルレバー混合栓は、一つのレバーで温度と水量が調節できるので、使用回数が多く給湯器が必要な場所に多く用いられます。通常は台所や洗面所に設置されている事が多いようです。台所では洗い物や調理の時、手が汚れていても簡単に操作できるメリットがあります。
洗面所では昔ながらの2ハンドルタイプのものもまだまだ多いですが、朝の忙しいときや、冬の寒いときにお湯の温度を調節するのに手間が掛るため、シングルレバー混合栓が適しています。
シングルレバー混合栓はおしゃれなデザインのものも増えてきています。台所の流し台や洗面台もお洒落なものも多くなっているので、デザインを重視した選択肢も多くなっています。
お風呂場の混合栓は?
最初にお家の中で混合栓が用いられる場所を記載しましたが、台所と洗面所はシングルレバー混合栓が便利と書かせていただきました。「あれ、お風呂場は?」と思われた方もおられたかもしれません。お風呂場にシングルレバー混合栓を使用しても別に構いませんが、通常は使用しません。
お風呂場にはシャワーがある事が理由の一つです。
シャワーが付いた混合栓は、入り口が2つで出口が2つになっていますので、上下左右の動きだけでは対応できません。シャワー切り替えレバー付いているのでシングルレバーではありません。
もう一つの理由は、風呂には温度調節がもっと便利なサーモスタット式水栓を用いる事が多いからです。温度調節ハンドルで温度を設定してやれば混合比率を自動的に調節して、一定温度のお湯を安定して吐水し続けます。シングルレバーでは、何かが当たってしまうと簡単に温度が変わり、高音のお湯や冬場に冷水を浴びてしまう可能性もあるので、あまり用いる事はありません。
シングルレバー混合栓のデメリットは?
シングルレバー混合栓だからといって他の混合栓と顕著な差があるわけではありません。
特徴の一つに構造が複雑という点があげられます。そのためパッキンの破損が起きやすいともいわれています。
また、ウォーターハンマーを起こしやすいともいわれています。ウオーターハンマーは乱暴に蛇口を扱う事で起こりますから、とりたててシングルレバー混合栓が起こり易いとは言い難いのですが、乱暴な操作をしなければ問題はありません。基本、特に目立つデメリットは価格が少し高い程度でしょう。
シングルレバー混合栓は片手で水量と混合比率を簡単に操作できる便利な水栓金具です。