地盤調査とは?どんな方法?費用は?時間は?

地盤調査とはどういうものか?
竹内正浩(編集長)
今回は家づくりの序盤戦でかかわるところ、地盤調査について解説していきたいと思います。

目次

地盤調査とは?

スウェーデン式サウンディング試験の実際
地盤調査とは建物を立てる際に、その土地がどのくらいの重さに耐えられるかなどを調べることを指します。

建物を建てる場所の地盤の安全性を確かめる上で非常に重要な調査です。

それまで大きなトラブルがなく、昔から地盤がしっかりしていると考えられている土地でも、地盤調査は必要です。

地盤調査は、その土地がどれだけの荷重に耐えられるか、どのくらいの沈下に対する強度を持っているかを調査します。その上で建物を支える力に不安がある場合には、どの建築方法が最適なのかを判断します。

地盤調査をおこたってしまうと地盤沈下や家の傾き、壁の亀裂などのトラブルの原因になりかねません。また地震で土地が液状化する可能性も考えられます。地盤が脆弱な場合には、すぐにトラブルが起きなくても時間が経過するにつれ徐々に地盤沈下が起きたり、建物が崩壊したり様々なリスクが考えられます。

地盤調査での判断次第で地盤改良工事が必要になることも


地盤沈下などのリスクを回避するためには地盤調査で地盤の特徴や弱点を知り、必要であれば地盤改良工事をおこないます。

地盤改良工事は建物の基礎となる地盤を最適な状態にする工事です。

地盤改良工事の方法としては、セメントで地表周辺を固め強度を高める「表層改良工法」や円柱状の改良杭を地盤に築く「柱状改良工法」、鋼管を用い地中から建物を安定させる「小口径鋼管杭工法」などがあります。

どの方法で地盤改良工事をおこなうかは地盤調査の結果に基づいて決定します。

地盤調査の主な方法


地盤調査は大きく分けて8つの方法があります。

スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)


住宅建築において、最も多用されている地盤調査の方法は「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験、SWS試験)」です。

スウェーデン式サウンディング試験の方法は、先端にドリルのついた鉄の棒(ロッド)を地盤に貫入させて測定します。このロッドが何kgで貫入するかを測定し、地盤の強度を調査します。ボーリング調査よりも比較的低コストで実施できるというメリットを持っています。

ボーリング調査

他の地盤調査の方法にはボーリング調査があります。

ボーリング調査は穴を掘り、深さ1mごとに強度の計測(標準貫入試験)をおこないサンプルを採取していきます。採取したサンプルから地盤の土質や強度を分析し、どのような土地なのかを判断します。

その他の調査方法

地盤に直接荷重をかけて調査する平板載荷試験や、地震の際の液状化の可能性を調べる液状化判定もあります。

土質を詳しく調査する必要がある場合には、現場で採取した土を実験室で調査する土質試験をおこないます。土質試験では、ボーリング調査で採取した土のサンプルを調査する場合が多いです。

その他にも地盤の水平方向の変形特性を調査する孔内水平載荷試験、地盤の透水係数と地下水位を求める現場透水試験、土壌汚染調査、工事で発生した残土(建設発生土)の受入基準を求めるために実施される残土(建設発生土)調査などがあります。地盤調査の精度を高めるため、これらの調査を組み合わせて実施するケースが多いです。

地盤調査にかかる費用と時間


地盤調査にかかる費用は現場や土壌の状況により価格が変動するため、見積りをするまでは具体的なはっきりとした費用はわからないことがほとんどです。

一般住宅であればスウェーデン式サウンディング試験だと10万円前後、ボーリング調査は20~30万円程度が相場の目安です。

地盤調査にかかる時間は調査方法によっても異なります。ボーリング調査は期間の搬入と足場(やぐら)の組み立て設置に時間がかかるため、調査には1日~数日かかります。スウェーデン式サウンディング試験は、ボーリング調査よりも機器がコンパクトなため搬入も容易です。調査にかかる時間も数時間~半日程度で済みます。

地盤調査とはどういうものか?