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踊り場とは階段の途中にあるフラット(平坦)なスペースのこと
踊り場とは階段の途中にあるフラット(平坦)なスペースのことです。基本的な目的としては、階段の方向転換をするためというのが大きいです。それ以外にも、一気に転落してしまうのを避ける効果もありますし、小休止のための効果もあります。
ちなみに踊り場はそこを通る人が踊るように体を翻すことから踊り場と言われるようになったようです。
踊り場のある階段のメリット
2階建ての家に付き物の階段ですが、その階段には踊り場が付いている物と付いていないものとがあります。
安全性が高くなる
踊り場はもちろんオシャレというメリットもありますが、この踊り場にはいくつか構造的なメリットがあります。
その中でもやはりわかりやすいのは安全面でのメリットでしょう。
万が一階段で足を滑らせて転んでしまった場合、一旦踊り場で止まることが出来るので大怪我になりにくいメリットがあります。
特にお子さんがいるご家庭では、元気に走り回る子供の事故率を下げてくれるのでより安心して暮らすことができるでしょう。
休憩するスペースになる
また二世帯住宅などで年配の方がいる場合は、踊り場は一旦足を休憩するための場所にもなります。
間取り・プランに対応しやすい
また踊り場を取り入れた階段は間取りを考える際にも役立つでしょう。
一般的な踊り場の有る階段は途中で折り返すタイプですが、これは面積をあまり取らずに設置できます。
踊り場なしの直線の階段だと1階分の高さを登るために直線上の場所を必要としてしまいますし、狭くしようとすると階段1段辺りが高くなり危険ですし膝への負担も大きくなります。
この点折返す踊り場付きの階段なら長い直線を必要としないので、登る上で無理のない段数で階段を設置することができます。
また休憩スペースはお年寄りだけでなく、家具を運ぶ際の休憩スペースにもなりますので、1階と2階間で大きな物を移動させる際にも大きな効果が期待できます。
空間としての付加価値を高めることもできる
踊り場は基本的にこうした小休止場、安全面でのセーフティーエリアとしての役割が強いですが、より多くの付加価値を付けた物も登場してきています。
踊り場を長めにとって壁には広めの窓を設置し風景を楽しむ事のできる場所にしたり、本棚や収納スペースを設けてより休憩所としてゆっくり過ごすことの出来るエリアにするなどのバリエーションを出しているのです。
こうした付加価値を付けられた踊り場はいわば一つの部屋のようなもので、踊り場スペース自体も目的を持って使える無駄のない場所になるのでより機能的と言えるでしょう。
踊り場のある階段のデメリット
では、踊り場のある階段のデメリットはどのようなものでしょうか?
長方形の階段スペースの確保が必要
踊り場のある階段のデメリットの一つとして長い直線が必須ではなくなりますが、それでもある程度長方形型の場所は確保しなければなりません。
階段は斜め上に伸びていく構造上、階段の下の空きスペースは収納スペースや背の低いペットスペースにするなどして有効活用はできますが、人が通るには手狭になります。
部屋や通路の隅側に設置する方が良いでしょう。また階段による圧迫感を感じる場合は、それを軽減するためにフレームで組まれたタラップ状の階段にするなど工夫が必要です。
踊り場に向かない階段もある
踊り場とはおおよその階段に取り付けることができますが、向かない階段もあります。
例えば折り返したり曲がったりしない直線状の階段では踊り場を設けることでより長い直線が必要になってしまい間取りの自由度が狭くなってしまいますし、まっすぐ長く見える階段は登っているだけでも気持ちも疲れやすくなってしまいます。
また螺旋階段などは元々の構造上、ころんだ場合もすぐ側面の柵で止まるので、踊り場増設による事故率低下の恩恵が低く、まっすぐ上に伸ばすことで省スペースになっている螺旋階段の特徴が、踊り場用のスペースによって余分に使われてしまいメリットを潰してしまいます。
踊り場をつけることによるメリットと、建てる家のテーマなどを照らし合わせて、無理のない導入を検討してみましょう。