- 「堀部安嗣さんって、どんな建築家?」
- 「堀部安嗣さんって有名らしいけど、詳しく知りたい」
この記事ではそんな疑問にお答えします。
著書(作品集)も出版され、日本の住宅建築や建築士たちに大きな影響を与えている人気建築家・堀部安嗣さんについて詳しくご紹介していきます。

目次
堀部安嗣さんとはどういう建築家か?

堀部安嗣さんの経歴は下記のようになります。
- 1967年:神奈川県横浜市生まれ
- 1990年:筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業
- 1991−1994年:益子アトリエにて益子義弘さんに師事
- 1994年:堀部安嗣建築設計事務所を設立
- 2002年:第18回吉岡賞を「牛久のギャラリー」で受賞
- 2007年−:京都造形芸術大学大学院教授
- 2016年:日本建築学会賞(作品)を「竹林寺納骨堂」で受賞
主な著作:『堀部安嗣作品集: 1994-2014 全建築と設計図集』『堀部安嗣 小さな五角形の家:全図面と設計の現場』『書庫を建てる: 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト』『堀部安嗣の建築』
設計者の系譜としては建築家・益子義弘さんの流れを汲んでいます。
益子義弘さんは吉村順三さんに師事なさっていますので、
「吉村順三さん→益子義弘さん→堀部安嗣さん」
という設計思想の流れになります。
建築思想について

端正、静寂、禅的な雰囲気。
堀部さんの設計した建築物に共通する感覚です。
石といった素材感のあるものを多用し、また、壁や天井に漆喰といったピュアな自然素材の左官塗り壁をよく使われます。
堀部安嗣さん設計の建築事例・作品

竹林寺納骨堂
堀部さんの代表作のひとつが『竹林寺納骨堂』です。
2016年に日本建築学会賞を受賞した設計作品になります。
場所は高知県。約1300年の歴史を持つ五台山竹林寺の境内におよそ千の遺骨を祀るために計画された納骨堂です。
通路両側の壁面は敷地内で掘った土を使用した土塗り壁仕上げ。床は大谷石。外壁は土佐しっくい壁。見えている木材は高知県産材の杉です。
小型豪華客船「ガンツウ」
「せとうちに浮かぶ、小さな宿」をコンセプトに広島県尾道市のマリーナを母港として、瀬戸内海沿岸の景勝地を周遊する小型豪華客船「ガンツウ」のデザインを担当されています。建築物以外を手掛けるのは初の試みだったそうです。
堀部安嗣さんデザインの照明もあります
堀部さんはご自身でデザインされた照明もありまして、メーカーが販売しています。
具体的には、
- 台形吊照明(大)
- 長四角吊照明
- 台形吊照明(小)
- 四角置型照明
どれもシンプルで、和の雰囲気が感じられるデザインです。シンプルなので、どんな空間にもなじみそうです。
とりわけ、吉村順三さんの流れを汲む、和モダン的な住宅にピッタリかな、と思います。
堀部さんの本(作品集)はどんなもの?
堀部安嗣さんの本(作品集)は下記のものがあります。
ちなみに読書感想文も書いてます。
>>【作品写真と設計図集】『堀部安嗣作品集』を読んでみて
公式サイトもあります
ご本人の公式サイトもあります。
設計事例やプロフィールなど、色々と掲載されています。
まとめ
堀部安嗣さんは人気建築家として広く知られており、また、日本の住宅建築業界や多くの設計士に多大な影響を与えています。
日本的な要素、禅的な雰囲気が感じられる、端正で静寂な建築物を設計されています。
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