- 「リビング階段って、何?」
- 「リビング階段のメリット・デメリットについて知りたい」
この記事ではこのような疑問にお答えします。

目次
リビング階段とは?
リビング階段とは、リビングに作られた階段のことです。
階段を上るのに玄関・廊下・階段という流れではなく、家族の集うリビングを通過して上の階に行くことになる階段のことを意味しています。
かつては住宅の性能が低く、冬寒く・夏暑い家が多かったため、各居室をドアで区切らないとエアコンが効かない状態でした。近年は断熱性能が上がった家が多いので、オープンな間取りが実現できるようになりました。その流れもあって、玄関・廊下・階段という流れではなく、リビングから階段という流れでも可能になりました。
リビング階段のメリット
リビング階段を設置するメリットとして、家族の一体感や部屋が広く見えることなどが挙げられます。それぞれについて説明していきます。
リビングに階段があるので、子どもと顔を合わせる機会が増える
リビング階段のある間取りの場合、子どもが学校などから帰宅した際に、玄関から自室のある2階に向かうために必ずリビングを通り階段を上がることになります。
その時に、お父さん、お母さんがリビングにいれば子どもと顔を合わせることになるので、自然と帰宅した時の子どもの様子などを感じとることができます。こうしたことから、リビング階段のある家に住む家族は、一体感が生まれやすくなると言えるでしょう。
部屋が広く見える
リビング階段にすると、部屋を広く見せる効果があります。
上下階の空間がつながるため、圧迫感がなく室内に入る光を遮らないなどのメリットと同時に、リビングが広く感じるのです。
また、実際にリビング階段にすることで、居住するスペースを広くとることが可能になります。
従来の独立階段は、階段と廊下のそれぞれのスペースを必要としますが、リビング階段の場合は、それらのスペースを最小限に抑えられるため、その分のスペースを有効活用することができるからです。
リビング階段のデメリット
それではリビング階段にするデメリットとしては、どのようなものがあるのでしょうか?
具体的にご説明します。
プライバシーが減る
リビング階段の場合、上層階へ行く際に必ずリビングを通るため、家族の一体感や自然と子どもの様子を見ることができるというメリットがある反面、プライバシーが減るというデメリットがあります。
子どもや家族が友人や知人を連れて2階にある自室に行く際も、必ずリビングを通ることになるため、他の家族がリビングでだらしない格好でいるわけにもいきません。また、来客がいつ2階から降りてくるか分からない、となれば、リビングでソファーに寝転んでテレビを見るなどためらわれ、くつろぎにくくなるでしょう。
お母さんや年頃の女の子が休日に部屋着でメイクをせずに過ごしたい場合や、お父さんが下着姿でリビングをうろうろするといったことも、リビング階段で他人と顔を合わせる可能性があるとしづらくなります。
また、リビングは来客が通ることを考え、散らかっていないよう、いつも綺麗に整えておかなければなりません。リビング階段にしたからいつも綺麗にしていられる、と前向きに捉えられればよいですが、リビング階段でなければこんな面倒なことにはならなかった、と思ってしまう場合もあります。
ご自分やご家族の性格を考え、メリットとなるか、デメリットとなるか、間取りの時点で検討するとよいでしょう。
さらに、子供が小さい頃は家族の一体感が生まれたリビング階段も、大学生や社会人となると毎回リビングを通らなくてはいけないことが微妙と感じることもあるようです。
また、人間生きていれば色々あるもの。家族とはいえ、今は会いたくない、顔を合わせたくないと感じる時期もあるでしょう。そのような時でも、どうしても顔を合わせなければならない、というのもデメリットとして挙げられるでしょう。
エアコンの効きが悪くなる
リビング階段にしている場合はエアコンの効きが悪くなります。
2階に繋がっているということは、暖めたり、冷やしたりする体積が多くなりますので、冷房、暖房どちらも効きづらく、エアコンもそれに合わせた物が必要となるでしょう。
また、特に冬の時期は寒さを感じ暖房をつけても、温かい空気は上に登っていってしまい、冷たい空気が下のリビングへと流れてきてしまうため、寒さを感じることが多くなる可能性があります。
普通の部屋であれば暖房をつけてしばらくしたら温かくなりますが、リビング階段のある部屋はなかなか暖かくならず、暖房効率も悪くなってしまいます。そのためリビング階段のある家は寒い、と言われるのです。
リビング階段の寒さ対策
このようなリビング階段の寒さ対策としてはどのようなものがあるのでしょうか。
対策方法を具体的にご説明します。
リビング階段をカーテン・ロールスクリーンで仕切る
暖房効率を高めるために、階段の1階の部分か2階の部分のどちらかにロールスクリーンやカーテンを設置して仕切ることにより、空気の出入りを少なくする方法があります。
冷暖房が必要ない時期は開放して広さや明るさを取り入れ、冷暖房の必要な季節のみ仕切るのです。こうすることにより、リビングが寒いというデメリットを少し解消することができます。
また、リビング階段と吹き抜けを併せて設置している場合は、1階の天井部分にロールカーテンを横に張ることでも空気の出入りを減らすことができるでしょう。
リビング階段に引き戸や扉をつける
リビング階段に引き戸や扉を付けて、1階と2階部分を仕切ることで暖房効率を高めることができます。
引き戸や扉であれば、空気の出入りを遮断することができ、暖かいリビングでくつろげるでしょう。
ただ、せっかくリビング階段にしたのに視界が塞がれてしまい、リビングが広く見えるなどの視覚的なメリットはなくなってしまう可能性があります。
明るさまで遮ってしまうのはもったいないと考える場合は、せめてアクリル製の引き戸にするなどして、明るさと取り入れ、空気だけを遮断するようにするのもよいかもしれません。
サーキュレーターで空気を循環させて、温度ムラをなくす
暖かい空気は上に登り、冷たい空気は下に降りてくる性質を持っているためにリビング階段のある部屋は寒さを感じやすいのですが、サーキュレーターを使い空気を循環させることで温度ムラをなくし、リビングで暖かく過ごすことができます。
天井にシーリングファンを設置しておき、季節になったら稼働させるようにしておくと、せっかくの吹き抜けを仕切ることなくインテリアとしても楽しむことができます。
まとめ
リビング階段を間取りに取り入れることでのメリット、デメリットについてご説明しました。
部屋が広く開放的に見えることや、家族と顔を合わせることが多くなるため一体感が生まれやすいというメリットがある反面、プライバシーが減る、エアコンの効きが悪くなるというデメリット面も理解することをおすすめします。
プライバシーが減ることについては、子どもが小さい頃は良かったが成長するにしたがってそぐわなくなる、ことも考えられます。今現在の状況だけでなく、将来的展望をもって決めるようにしましょう。
また、暖房効率が悪くなる点については、カーテンやロールカーテンで仕切る、引き戸や扉を設置する、サーキュレーターなどで空気を循環させることで出来る対策をご紹介しました。
リビング階段を作ることで得られる、広さを感じさせる視覚効果をなるべく無くすことなく、デメリット面をカバーできるとよいでしょう。
このようなメリット、デメリット面を理解し、ご家族の生活スタイルや希望などと合わせ、リビング階段を間取りに取り入れるかどうか検討されることをおすすめします。