入母屋屋根とは?メリット・デメリットを解説します

 

入母屋屋根とは

三角屋根の一種で、上部と下部の二層構造から成り立っています。上部は切妻造り、下部は寄棟造りの特徴を備えていて、主に日本を始めとした東アジア諸国の伝統的な屋根として有名です。切妻造りと寄棟造り双方の長所を兼ね備えているため、かつては寺院や城郭などといった様々な建築物で用いられていました。この入母屋屋根は一般的には入母屋造りと呼ばれていますが、国や地域によっては母屋造りや、単に母屋とだけ呼ばれることもあります。また昔は養蚕や煙出しに利用するために、この入母屋造りに屋根裏部屋を設けていたこともありました。

 

入母屋屋根のメリット

瓦が美しい

入母屋屋根のメリットとして、瓦の形や並び方が美しいということが挙げられます。入母屋屋根に使用される瓦は重層的な構造をしていて、全体的に変化に富んだ形をしています。そのためこの瓦を並べたときに、まるで海や川で発生する波のような外見を呈するのです。それらの瓦の表面に昼間は太陽の光が照り、夜になると月の光が反射して、眺めたときにさながら幻想的な光景を堪能することができます。また雨の日には瓦に滴る静かな雨音を聞くこともでき、穏やかでゆっくりとした時間を過ごせるのです。さらに秋には瓦が紅葉に彩られた景色を、冬には白雪に満たされた光景を見ることもでき、一年を通して飽きることなく暮らせます。

 

通気性が高いこともメリットの一つ

通気性が高いということも、入母屋屋根のメリットとして挙げられます。入母屋屋根は高い部分と低い部分が混在していて、それらの高低差が空気の流れを作り出します。風が吹いたときなどには、その流れを屋根や天井裏全体に行き渡らせることも可能なので、夏でも蒸すことなく快適に過ごすことができます。また通気性が高いということは湿気や、その湿気が原因のカビや雑菌も発生しにくいということです。このため腐敗や劣化の進行を抑えることができ、最低限の補修で長期間過ごすことができます。 耐久力が高い入母屋屋根 入母屋屋根には様々なメリットがあり、その一つとして屋根自体の耐久力が高いということが挙げられます。一般的な風雨をものともしないくらいしっかりとした構造をしていて、外見的にも安定感と貫禄さを感じることができます。また断熱性も高いため、梅雨や冬といった寒い時期でも快適に過ごすことが可能です。浸水防止の機能も備えているので雨漏りを気にすることなく暮らせますし、雨による腐食や劣化も少ないです。さらに耐風性が高いという特徴もあります。全体的にバランスが取れた構造を持っており、東西南北あらゆる方角からの風に耐えることができます。

入母屋屋根のデメリット

入母屋屋根は耐震性が低い

入母屋屋根のデメリットはいくつか存在し、その一つとして耐震性が低いというものがあります。入母屋屋根は複雑な構造をしていて、使用する瓦も独特のものを使用するため、全体的に重くなってしまいます。そのため強い地震が発生した際にその入母屋屋根の重量を家屋の柱が支え切れずに、耐久力の高い屋根自体は無事でもその下の家屋が倒壊してしまう可能性があるのです。このデメリットを回避する対策としては、入母屋屋根を支える家屋の柱を太く、かつ多く作ることが挙げられます。柱を太くすればそれだけ重いものを支えることが可能になりますし、多く作れば屋根の重量を各所に分散させることができるからです。

 

野生動物が住み着く可能性がある

野生の動物が住み着いてしまう可能性があるのも、入母屋屋根のデメリットの一つです。入母屋屋根は断熱性や通気性が高く、一年を通して快適に過ごすことができます。しかし人が快適に過ごせるということは、すなわちネズミやトカゲなどの野生の動物にとっても快適な環境だということです。そしてそれらのネズミやトカゲなどを食料とするために、野良猫が迷い込む可能性も少なからず存在します。また地域によってはキツネやイタチ、タヌキおよびアライグマなどの動物が住み着くこともあるでしょう。それらの動物が住み着いてしまうと屋根の各部をかじって壊したり、排せつ物で汚れたり、あるいは異臭を放つこともあります。