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クリンレディの特徴
1983年に登場したクリンレディは、クリナップ株式会社の代表的なシステムキッチンです。発売から35年後の2018年に生産を終了しました。その間に売り上げた台数は150万台以上で、日本で一番売れたシステムキッチンです。クリンレディは上質なステンレスを贅沢に使った衛生的な構造を持っており、実用性や耐久性に優れています。デザイン性も高く、長い間多くの人に愛され続けただけでなく、生産を終了した後も根強い人気を誇っているモデルです。クリンレディの特徴には、2つのポイントがあります。それは、クリンレディのボディ全体を作り上げるステンレス構造とシンク周りの構造です。
#上質なステンレスを使うことで衛生
キッチン周りは衛生的に保たれることが重視されます。しかし、キッチン周りは水を使うため、カビや鉄錆、ぬめりなどの汚れが発生しやすく、汚れないように使うのは大変です。そこで、クリンレディは構造の多くを汚れに強く、鉄錆が発生しにくい上質なステンレスで作り上げています。ステンレスは錆に強いだけではありません。自己修復機能を持つ不動態皮膜を作りあげるため、表面塗装しなくとも汚れを落としやすい性質を持っています。この性質によって、クリンレディは日頃の手入れが簡単で、衛生状態を良好に保ちやすいシステムキッチンとなっています。
キッチンの内側は独特の臭いが残ったり、調味料の汚れが染み付いてしまう場合がありますが、クリンレディは表面だけでなく、キャビネットの内側にもステンレスが使われているので安心です。キッチン内部も簡単な掃除をするだけで清潔に保てます。ステンレスが多く使われていると、デザインが無機質で冷ややかなものになると思われるかもしれません。ですが、クリンレディは全40種類にも及ぶデザイン性の高い扉カラーやカラーステンレスフェイスを選ぶことができたため、温かみのあるデザインのキッチンを作ることは難しくありませんでした。
#流レールシンク(ながれーるしんく)でシンク周りが清潔
流レールシンクとは、水を使うだけでシンクの汚れや野菜くずなどを排水口へと自然に集める構造となっているシンクのことです。この構造はシンクの「手前勾配」と「水路構造」によって成り立っています。クリンレディ以前のシンクは、中央部奥に作られた排水口に向けて傾斜がつけられていました。そのため、水道から出た水がシンク手前にゴミを押し上げて汚れを広げていました。クリンレディではシンク手前に傾斜をつけることで、ゴミや水がシンク手前に集まりやすくなっています。
さらに「流レール」と名付けられた水路構造をシンク手前に作ることで、自然に水やゴミが流レールを通って排水口へと流れるように調整されています。また、排水口の位置も従来までと異なり、キッチンの調理面側に付けられるようになりました。これは調理面側の方が多くゴミが発生しやすいからです。加えて、シンクやクリンコーナーは継ぎ目がなく、親水性のセラミック系コーティングである「美コート」が施されています。そのため、油汚れであっても簡単に落とせるので、衛生状態を良好に保ちやすくなっています。” 評判や口コミで評価が高いポイント “クリンレディをリフォームなどで導入した人の意見では、その魅力として収納性を挙げる人がとても多いです。クリンレディの収納性にはどのような魅力があるのでしょうか。多くのキッチンでは、収納は調理器具や台所用品を片付けることが目的として設計がなされているのに対し、クリーンレディは使いやすさを重視した収納デザインになっています。ここでは、クリンレディの評判、口コミで評価の高かった3つの収納ポイントをご紹介します。
#大型のキャビネットでゆったり収納ができる
クリーンレディでは、キッチンに自然に立っている状態で手が届く範囲を「届きますエリア」と呼び、その範囲で収納が使いやすくなるように設計されています。「届きますエリア」の収納は腰や膝を曲げることなく使えるため、体への負担が少ないです。一番使う腰の辺りには、オールスライド収納のベースキャビネットがあり、大きな調理器具が余裕を持って収納が可能です。シンク側のキャビネットにも大容量収納が用意されています。また、これらのキャビネットは静かに閉まるようにダンパーが設置されています。
#収納力と使い勝手をうきうきポケットで両立
シンク側の「届きますエリア」に取り付けられる収納ポケットが「うきうきポケット」です。シンク側のキャビネットを開くと、中に設置されたガイドレールとスプリングの力によって、キャビネット内の「うきうきポケット」がせり上がってきます。「うきうきポケット」は仕切り板を外すことで容量を調整でき、用途に応じた使い方が可能です。なお、「うきうきポケット」に取り付けられる包丁ポケットは4本収納可能で、パーツを反転させることで左右どちらの利き腕にも対応できます。
#天井側のスペースを有効利用できるオートムーブシステム
天井側の「届きますエリア」をより効率よく使うオプションが、オートムーブシステムです。これはスイッチを押し続けることで降りてくる、電動式の昇降式の収納スペースです。洗った食器やまな板などを収納したい場合には、水切りタイプの選択もできます。” クリンレディの価格 “クリンレディの基本情報は次のとおりです。クリンレディのキッチンレイアウトはI型、L型、フラット対面の3つから選択できます。フラット対面には、ペニンシュラ型とアイランド型の2種類が用意されています。キッチン間口は180cmから15cm間隔で選択ができ、最大は300cmまでです。調理カウンターの高さは80cm、85cm、90cmの3種類です。扉グレードは、SタイプとA~Dタイプの計5種類があり、カラーは全40種類となっています。標準的なクラスとして、扉グレードDクラスで間口が255cmのクリンレディの価格は、2020年の時点で63万8000円です。
しかし、実際にはメーカーが発表するそのままの価格でキッチンが販売されることはまずありません。取り扱うそれぞれの企業が値引いて販売をするからです。値引率は本体価格の20%から40%ほどと言われています。そのため、実際にいくらの費用が必要かは業者の見積もりを確認しなければわかりません。また、見積もりは業者によって異なります。適正価格を知るためには複数の業者に見積もりしてもらい、価格を比較することが大切です。”