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縦すべり出し窓ってどんな窓?
一般的に家の窓として昔から使われてきたのは、レール上のガラス窓を横にスライドさせて開閉させるタイプで引違い窓と言われる窓です。
この引違い窓とは比較すると縦すべり出し窓とは開き戸に近い作りになっている窓のことで、外側に向かって窓が開く事ができます。
厳密にはドアのように開く片開き窓とも違って窓全体が横にスライドしつつ傾くように開くので、窓の左右に空間ができる開き方になっています。
この開き方が後述するメリットにも大きく関わっており、縦すべり出し窓の最大の特徴と言えます。
縦すべり出し窓のメリット
縦すべり出し窓のメリットについて解説します。
風を取り込みやすい
縦すべり出し窓が持つメリットで特に大きいのが、風を取り込みやすい事です。
通常の引き違い窓では窓が開いている側に向かって垂直に風が吹かないと室内へと風が入ってこず換気がうまくいかないという問題があります。その点縦すべり出し窓では窓が外側に押し出されているので、窓にあたった風が室内へと吹き込みやすく風向きにあまり左右されず換気を行うことができます。
家屋全体の湿度問題や換気などを改善する事ができるので、特に夏場の過ごしやすさを大幅に改善してくれるメリットがあります。また住宅地で家と家との間隔が狭い場合は、家の間を抜けるような風の流れになるので窓正面から風を取り込むのは難しくなりますが、このケースでも縦すべり出し窓ならその風を捕まえることができるのです。
気密性も高い
縦すべり出し窓のメリットには気密性の高さも挙げられます。
通常のレール式窓の場合、どうしても窓を車輪で転がすために上下レールの部分にある程度の余裕をもたせる必要があり気密性は完璧とは言えません。しかし縦すべり出し窓は開き戸に近い構造なので、窓を閉じた時に左右だけでなく上下も隙間なく閉じることができます。
気密性を高くすることのメリットは多く、外からの湿気や気温の影響を抑えることができ匂いも持ち込ませません。
また夏場増える小さな虫の侵入などもシャットアウトすることができるのでより安心して暮らしやすくなるでしょう。また遮音効果も高まるため屋外からの騒音に悩まされることが減るので睡眠の質を高める際にも大きなポイントとなるでしょう。
省スペース
縦すべり出し窓は省スペースであるというメリットもあります。
引き違い窓の場合は窓二枚分の左右スペースが必要になってしまうため、家の間取りによっては設置する場所が限られてしまうのでレイアウトの幅が狭くなってしまいます。
縦すべり出し窓は1枚分のスペースで運用できるため、狭い壁スペースしかない場所でも設置できて風の通り道を作ることができるので間取りの自由度が高くなり、思ったとおりの家を作りやすくなります。また縦すべり出し窓は縦長の形が多いので、その点も狭いスペースにはめ込みやすいでしょう。また縦長で細い形状は人が通り抜けづらいので、泥棒などからも避けられやすい可能性があるので防犯効果が期待できるかもしれません。
縦すべり出し窓を使う時に気をつけたいデメリット
従来の一般的だった引き違い窓と比べて非常に多くのメリットがある縦すべり出し窓ですが、使う際に留意しておきたいデメリットもあります。
雨の日は注意が必要
メリットでもあった「風を屋内に取り入れやすい」という点ですが、風雨の日などは風と共に屋内に雨が降り込んでしまいます。このため雨の日は風がない時でないと窓を開けての換気は難しいと言えるでしょう。
また窓そのものが外側にせり出す形になっているので、雨が窓の内側にあたって濡れてしまい、閉じた時に拭く必要がでてきます。雨の日は絶対に開けられないというわけではありませんが、ひと手間かかることには注意が必要です。
外に窓が出るので、外側に注意が必要
外に窓がせり出す事は、外の物との接触のしやすさにも繋がります。
2階の窓であればそういう心配も少ないのですが、1階の場合は窓のある屋外側はやや通行がしづらくなるため、狭い屋外通路などに縦すべり出し窓があると体が窓に当たりやすくなってしまう難点があります。
また虫の多い季節には網戸をして窓を開けることになりますが、網戸とは基本的に窓の内側に付けることになりますので、窓を締める際に一度網戸を外す必要があり、その際に虫が屋内へと入ってしまう可能性があります。
網戸を外して窓を締める際にある程度大きな虫等はエアダスターなどで網戸から外に飛ばしてしまう事はできますが、小さな羽虫などは数も多くキリがないので完全に防ぐことが難しいのです。導入を検討する際は虫が毎度によりつかないように忌避剤などを使うことも念頭に入れておくと良いでしょう。
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